7日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比346ドル87セント(1.1%)高の3万1384ドル55セントで終えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)は前日午後、6月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表。市場の想定を超えるタカ派ではないと受け止められ、前日発表後の買い基調がこの日も継続した。
また、中国が主にインフラ関連の大型経済対策を検討しているとの一部報道が伝わり、景気をめぐる懸念が後退。資本財・素材株などの買いにつながり、ダウは終日堅調な値動きを維持した。
景気敏感株とハイテク株を中心に買われた流れが続いた。市場は8日発表の6月の米雇用統計に注目している。非農業部門雇用者数は市場予想で前月比25万人増と5月(39万人増)から減速する見込み。予想通りか小幅に下振れすれば「労働市場の過熱が和らいだサインと受け止められ、株買いが強まる」との見方も買いを誘ったようだ。
ブルームバーグ通信が7日、「中国政府はインフラ投資加速へ向け、地方政府の2200億ドル相当の特別債発行を許可する」と報じた。これを好感して欧州株が上げ、米国株にも買いが波及したとの指摘もあった。インフラ投資の恩恵を受けやすい建機のキャタピラーが5%高で終え、ダウ平均の構成銘柄で最高の上昇率となった。
キャタピラー以外にも景気敏感株の上げが目立ち、航空機のボーイングや化学のダウが高い。景気懸念から前日に一時2.74%まで下げた米長期金利が3%台を回復する場面があった。利ざや縮小に歯止めがかかるとの期待から、JPモルガン・チェースなど金融株の上昇も目立った。
前日に一時、1バレル95ドル台と3カ月ぶりの安値を付けた米原油先物が急反発し、102ドル台で終えた。これを好感してエネルギー株が買われ、相場上昇を支えた。
ハイテク株を買い直す前日までの流れも続き、スマートフォンのアップルと顧客情報管理のセールスフォースが高い。半導体大手の韓国のサムスン電子が7日発表した決算が好内容と受け止められた。インテルなど半導体関連株が買われ、ハイテク株全体の買いにつながった面もある。
半面、飲料のコカ・コーラや通信のベライゾン・コミュニケーションズなどディフェンシブ株には売りが出た。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比259.494ポイント(2.3%)高の1万1621.346で終えた。同指数が4日続伸するのは3月半ば以来。
NYダウ工業株30種(ドル)
31,384.55+346.87
S&P500種
3,902.62+57.54
ナスダック
11,621.346+259.494
FTウィルシャー5000
39,626.11+647.08
NY金(ドル/トロイオンス)
1,739.70+3.20
NY原油(ドル/バレル)
102.43-0.30
円・ドル
136.00 – 136.03-0.11
【シカゴ日本株先物概況】
7日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比385円高の2万6650円で引け、7日の大取終値を160円上回った。利上げ加速による景気後退への過度な警戒感が薄れ、米株とともに買われた。市場関係者が注目する6月の米雇用統計発表を8日に控え、持ち高調整の動きもみられた。また、中国が景気対策を検討しているとの報道も前向きに評価された。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26650 ( +160 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26690 ( +200 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7189.08(+81.31)
7日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ81.31ポイント(1.14%)高の7189.08で引けた。ジョンソン英首相が7日、辞任を表明した。政権運営の不安定化が警戒されていたが、辞任表明で不確実性が薄れ、中期的には政治が安定するとの期待感が広がった。
FTSEでは、銅や原油の価格上昇を受け、資源エネルギー関連株が買われた。産銅大手アントファガスタが7.4%高と上昇率トップで、鉱業大手アングロ・アメリカン(7.1%高)や石油大手BP(4.5%高)も堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12843.22(+248.70)
7日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に続伸した。前日に比べ248.70ポイント(1.97%)高の1万2843.22で終えた。中国政府による大規模な景気対策への期待が広がり、自動車株や工業株など幅広いセクターに買いが入った。DAXでは、ダイムラー・トラック(7.2%高)やポルシェ(6.5%高)、メルセデス・ベンツ(6.4%高)など自動車関連株が上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6006.70(+94.32)
フランスCAC40種指数は1.60%高だった。値ごろ感から買い戻す動きが先行した。
