反落、米インフレ警戒とアジア株安を嫌気

 
12日午前の日経平均株価は反落し、前日比220円96銭(0.84%)安の2万5992円68銭となった。
前日の米国株市場でNYダウなど主要株価指数が揃って下値模索の展開となったことを引き継ぎ、リスク回避目的の売りに晒される格好となった。4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を受けて米インフレに対する警戒感が拭えず、ハイテク株をはじめ広範囲に売りが及んでいる。食品・エネルギーを除くコア指数が6.2%上昇と、いずれも市場予想を上回る上昇率となった。米連邦準備理事会(FRB)が積極的に金融引き締めを進めるとの見方から、同日の米株式市場では金利上昇で割高感が意識される高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に下落した。
中国を除きアジア株が安く推移していることや、外国為替市場で円高方向に振れたこともあって、日経平均の下げ幅は一時500円を超える場面があったが、売り一巡後は値ごろ感からの押し目買いや買い戻しが入り下げ渋った。前引け段階で値下がり銘柄数は全体の6割強を占めている。
 
東京株式市場でも高PERの成長株の下げが目立った。主力の値がさ株の下げが大きく、ソフトバンクグループが6%超下げた。ファストリも3%超安となり、2銘柄で指数を130円ほど押し下げた。前日に発表された決算がネガティブとみられた花王やソフトバンクの下げも大きかった。
 
売りが一巡した後は主力銘柄に見直し買いが入った。「投資尺度の面から日本株の割安感が強まっているうえ、現物株の売り手が限られるなかで個別物色の動きが広がった」との見方があった。
 
東証株価指数(TOPIX)は続落した。午前終値は前日比5.10ポイント(0.28%)安の1846.05だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆5678億円、売買高は7億213万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1135と、全体の約6割を占めた。値上がりは615、変わらずは85だった。

 


 
市場からは「指数寄与度の高いファーストリテ、ソフバンGなどが売られ、日経平均の足を引っ張たが、下値では買いが入り、2万6000円を意識した動きだ。TOPIX(東証株価指数)はさほど下がっておらず、バリュエーション面では下値余地はないとみられる」との声が聞かれた。
 
業種別株価指数(33業種)では情報通信業、サービス業、医薬品などが下落。ゴム製品、石油・石炭製品、精密機器などは上昇。
 
個別では、売買代金断トツとなったレーザーテックだが株価は大幅安。シャープやエムスリーも大幅安。東エレクやアドテスト、ソフトバンクグループも大きく下げた。ファーストリテイリング、キーエンス、ファナックなど値がさ株が下落、スズキ、オリエンタルランドも売られた。SREホールディングスは急落した。
 
半面、ソニーグループが堅調、オリンパスが物色人気。ダイキン工業も値を上げた。日本製鋼所、OATアグリオが一時ストップ高に買われたほか、神戸鋼も大幅高。オリンパスやマツダも買われた。シュッピンも急騰、Jパワーも値を飛ばした。
 

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