24日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比48ドル38セント(0.2%)高の3万1928ドル62セントで終えた。
インターネット交流サイト(SNS)を運営する米スナップが前日夕、経済環境の悪化を理由に第2四半期の業績予想を引き下げた。市場では、高インフレや米連邦準備制度理事会(FRB)による急速な利上げによる企業業績悪化への懸念が台頭。ダウ平均は、ハイテク株が売られ、下落して取引が始まった。
午前には下げ幅が一時500ドルを超えた。だが、前週までハイテク株や景気敏感株と同様に売られてきたディフェンシブ株には下げすぎとみた買いが入った。ダウ平均は午後に下げ渋り、取引の終了間際に上げに転じた。
SNSのスナップが23日夕、マクロ経済環境の悪化を理由に2022年4~6月期の業績が会社予想を下回る見通しだと発表した。インフレや景気減速でインターネット広告が打撃を受けているとの見方が広がった。スナップは4割強下げ、ネット広告収入に依存するSNSのメタプラットフォームズやネット検索のアルファベットを中心にハイテク株に売りが広がった。メタは8%安、アルファベットは5%安で終えた。
一方、ディフェンシブ株の上昇がダウ平均を支えた。米景気後退の懸念が広がるなか、業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄に資金を移す動きが強まった。ダウ平均の構成銘柄では外食のマクドナルドが3%高と上昇率で首位。通信のベライゾン・コミュニケーションズ、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、飲料のコカ・コーラはいずれも2%高で終えた。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比270.827ポイント(2.3%)安の1万1264.448で終え、年初来安値を更新した。主力株が軒並み下げた。中国・上海工場の生産回復が遅れている電気自動車のテスラは7%安と下げが目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
31,928.62+48.38
S&P500種
3,941.48-32.27
ナスダック
11,264.448-270.827
FTウィルシャー5000
39,865.71-417.38
NY金(ドル/トロイオンス)
1,865.40+17.60
NY原油(ドル/バレル)
110.61+0.84
円・ドル
126.82 – 126.84-0.45
【シカゴ日本株先物概況】
24日のシカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比410円安の2万6675円で引け、24日の大取終値を65円下回った。24日の米株式市場で午前中に米株が大幅に下げ、日経平均先物に売りが波及した。引けにかけては下げ幅を縮めた。
23日夕方に業績予想の下方修正を発表したスナップが40%を超える急落となり、ソーシャルメディア関連株が売られた。NYダウは、一時500ドルを超える下落となる場面があったが、売り一巡後は値を戻したナスダック総合株価指数が年初来安値を更新し、投資家心理を冷やした。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26675 ( -65 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26685 ( -55 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7484.35(-29.09)
24日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日に比べ29.09ポイント(0.39%)安の7484.35で引けた。英政府が発電事業者の超過利潤に課税する計画の策定を指示したとの報道を受け、業績に対する影響への警戒感から、電力大手のSSEなど公益事業株の一角が売られた。
FTSEの個別銘柄を見ると、英広告大手WPPが9.3%の大幅安。英郵便大手ロイヤル・メールも5.5%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13919.75(-255.65)
24日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落した。前日に比べ255.65ポイント(1.80%)安の1万3919.75で終えた。欧州中央銀行(ECB)が金融政策の正常化を早期に進めるとの観測が強まっており、早急な引き締めによる欧州の景気減速を警戒した売りが出た。DAXでは独スポーツ用品大手プーマが4.2%安と軟調だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6253.14(-105.60)
フランスCAC40種指数は1.66%安となった。
民間による中国の経済成長率の予想の下方修正が相次いで公表され、株式相場の重しとなった。CACでは欧州航空機大手エアバスが4.1%安とさえなかった。
