30日の日経平均株価は大幅続伸し、2万7369円(前週末比587円高)引けとなった。
前週末の米国株式市場でインフレ加速への懸念が和らぎ、主要3指数が大幅上昇した流れを受け、買い優勢の展開となった。時間外取引で米株価指数先物が高く、中国・上海総合指数や香港ハンセン指数の上げも支えとなり、上げ幅が一時619円に達した。
市場では、「日経平均は明確に2万7000円を突破し、2万6500-2万7000円のレンジから2万7000-2万7500円のレンジに切り上がってきた」、「目先2万7500円が意識され、基調転換の可能性がくすぶるが、過去200日線でハネ返された経緯があり、このまま戻りを試すとみるのは早計だ」などの声が聞かれた。
あす31日の日経平均株価は神経質な展開か。
30日の米国市場はメモリアルデーで休場となり、米国発の手掛かり材料に乏しい。
きょうは終値(2万7369円)で26週線(2万7318円、30日時点)を上回った。今年はこれより上がなかなか定着していないだけに、プラスの後押し要因がない中でもう一段上を試せるかは微妙なところ。
一方、午前中には中国で5月コンポジットPMI(購買担当者景気指数)、5月製造業PMI、5月非製造業PMIが発表される。結果次第では、中国関連銘柄を中心に影響を与える可能性があり、中国経済指標には注視する必要がある。
また、グローバル投資家のベンチマークとして知られるMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)指数銘柄の定期見直しに伴い、31日終値をもって入れ替えが行われる。「ジャパンスタンダード」からは日本株が22銘柄除外(新規採用ゼロ)される。その資金流出額は約2600億円と予想され、重しとして意識されるだろう。
■上値・下値テクニカル・ポイント(30日現在)
28825.03 均衡表雲上限(週足)
28578.72 均衡表雲下限(週足)
28264.25 ボリンジャー:+2σ(13週)
28191.12 ボリンジャー:+1σ(26週)
27944.52 200日移動平均線
27865.15 ボリンジャー:+3σ(25日)
27599.80 ボリンジャー:+1σ(13週)
27477.35 ボリンジャー:+2σ(25日)
27369.43 ★日経平均株価30日終値
27318.46 26週移動平均線
27089.54 ボリンジャー:+1σ(25日)
27034.95 均衡表基準線(週足)
26935.35 13週移動平均線
26863.90 6日移動平均線
26827.03 均衡表転換線(週足)
26802.70 75日移動平均線
26775.67 均衡表転換線(日足)
26766.45 均衡表雲上限(日足)
26701.74 25日移動平均線
ローソク足は大陽線で終了。上向きに転じた25日移動平均線や25日線上方を走る75日線を超えて寄り付いた後は上値を伸ばし、26週線(本日大引けは2万7318.45円)を突破して取引を終えた。
一目均衡表で終値が雲上限を突破したこともあり、ボックス相場からの上放れを確認する格好となった。25日線との上方乖離率は2.50%、東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は101.78%といずれも過熱感は乏しい。2万7000円前後を天井とするボックス相場が続いてきただけに、ボックス離脱後に特有の大幅な水準訂正による上値追い局面スタートに展望が開ける形となった。
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