222ドル安7日ぶり反落、原油高でインフレ懸念

 
5月31日のNYダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落し、前営業日の27日比222ドル84セント(0.7%)安の3万2990ドル12セントで終えた。
米原油先物相場が上昇し、高インフレが長引くとの懸念が高まり、売りが優勢となった。
 
米原油先物相場が急伸し、一時1バレル119ドル台後半と2カ月半ぶりの高値を付けた。欧州連合(EU)がロシア産石油の輸入禁止で合意したことで、需給逼迫懸念が強まったことが背景だった。
株式市場でもインフレ加速への警戒感が広がり、ダウ平均はほぼ終日、マイナス圏で推移した。ただ、原油相場がその後下落に転じたことを眺めて、ダウは一時プラス圏に浮上する場面もあった。
インフレ抑制に向けて米連邦準備制度理事会(FRB)が急速に利上げを行い、景気後退を招くとの懸念が、引き続き株価の重しとなっている。ダウが6営業日続伸していたため、利益確定のための売りも出やすかった。ディフェンシブ株を含む幅広い銘柄が売られた。
 
ダウ平均は前週に1951ドル高と大きく上げており、目先の利益を確定する目的の売りが出やすかった。飲料のコカ・コーラやホームセンターのホーム・デポがともに2%下げた。31日の引け後に四半期決算を発表する顧客情報管理のセールスフォースも売られた。石油のシェブロンは原油高を受けて朝方に上場来高値を付けた後、原油相場の伸び悩みに伴って売られ、下げて終えた。
 
ダウ平均は朝方に460ドル安まで下げた後は下げ渋り、午後に小高くなる場面もあった。31日の米債券市場でインフレ観測から長期金利が一時2.8%台後半と27日終値(2.74%)から上昇した。利ざや拡大の見方からJPモルガン・チェースなど金融株が買われた。中国の経済正常化への期待から、中国売上高比率の高いスポーツ用品のナイキや、中国でテーマパークを運営する映画・娯楽のウォルト・ディズニーが上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、27日比49.740ポイント(0.4%)安の1万2081.391で終えた。スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトが下げた。ただ、ネット通販のアマゾン・ドット・コムが4%上げるなど、主力株は方向感に欠けた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
32,990.12-222.84
S&P500種
4,132.15-26.09
ナスダック
12,081.391-49.740
FTウィルシャー5000
41,900.15-297.38
NY金(ドル/トロイオンス)
1,848.40-8.90
NY原油(ドル/バレル)
115.35+0.68
円・ドル
128.69 – 128.71+0.94
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

31日のシカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。6月物は前週末比40円高の2万7180円で引け、31日の大取終値を80円下回った。
日経平均先物は朝方、米株市場の反落を受け売りが先行した。その後は米株が下げ渋った場面で買いが入った。原油高や米長期金利の上昇が上値を抑えた。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27180 ( -80 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27185 ( -75 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7607.66(+7.60)
31日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら5日続伸した。前日に比べ7.60ポイント(0.10%)高の7607.66で引けた。食品・日用品のユニリーバが急伸し、指数を押し上げた。半面、前日に買われていた資源株や資本財株には利益確定の売りが出て上値は重かった。
FTSEでは指数構成銘柄の約7割が下落。物言う株主として知られるネルソン・ペルツ氏の取締役就任を発表した英日用品・食品大手ユニリーバが9.4%高と急騰し、指数を押し上げた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14388.35(-187.63)
31日のドイツ株価指数(DAX)は5営業日ぶりに反落した。前日に比べ187.63ポイント(1.29%)安の1万4388.35で終えた。ユーロ圏の5月の消費者物価指数の伸び率が前月から加速した。原油先物価格も上昇するなど、高インフレが企業業績の重荷になるとの懸念から幅広いセクターに売りが出た。
 
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6468.80(-93.59)
フランスCAC40種指数は1.43%安だった。
 

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