2日午前の日経平均株価は小幅に反落し、午前終値は前日比46円31銭(0.17%)安の2万7411円58銭だった。
きょう前場は強弱観対立のなかも目先利益確定の売りが優勢となった。下げ幅は一時200円を超えた。
前日の欧米株市場が総じて軟調だったことを受け、リスクを積極的に取りにくい地合いだった。外国為替市場では1ドル=130円台まで急速に円安が進んだものの、円安メリットが見込まれる自動車やハイテクなどの輸出セクターは今一つ精彩を欠いた。
一方、売りが一巡した後は円安・ドル高傾向が支えとなり電力や鉄鋼株などが買われ下げ幅を縮めた。太陽誘電やTDK、村田製など電子部品関連にも買いが入った。5月の売上高が前年比で大幅に増えた百貨店株なども堅調だった。
米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した5月の製造業景況感指数が市場予想に反して上昇したのをきっかけに、米金融引き締めへの警戒が再び強まり、前日の米株式相場が下落。「米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締め方向に傾き、当面の日本株にも重荷となる」との声が聞かれた。
米長期金利の上昇ペースの速さだ。5月6日の3.14%をピークにしばらく低下基調にあった米10年債利回りは、先週末の2.74%から前日までの僅か2営業日で2.91%まで上昇してきている。
FRBの利上げペースについては、セントルイス連銀のブラード総裁やアトランタ連銀のボスティック総裁の発言を受けて一時楽観的な方向に傾いていたのも、先日のウォラーFRB理事の発言を受けて再び警戒感が高まっている。米10年債利回りはピーク値にはまだ距離があるが、FRBのタカ派姿勢が再認識されている最中、極端な上昇ペースの速さは相場を神経質にさせかねず、要注意だろう。
東証株価指数(TOPIX)も反落した。午前終値は前日比10.52ポイント(0.54%)安の1928.12だった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3795億円、売買高は5億7715万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1232で値上がりは545。変わらずは59銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)では鉱業、医薬品、精密機器の下落が目立った。上昇は電気・ガス業、ゴム製品、鉄鋼など。
個別では、レーザーテックが安く、ソニーグループ、任天堂なども売られた。武田薬品工業、アステラス、中外薬など医薬品株が値を下げた。ソニーGや任天堂、リクルートホールディングスも軟調。シグマクシス・ホールディングスが急落、ラクスなどの下げも目立った。
半面、ダブル・スコープが商いを膨らませ急騰、ファーストリテイリングやダイキン、東エレクも高い。三菱重工業も上値追いを継続。大阪チタニウムテクノロジーズが大幅高となり、東京電力ホールディングスや中国電力など電力株も買いを集めた。
