2日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比435ドル05セント(1.3%)高の3万3248ドル28セントで終えた。
この日のダウ平均は、IT大手のマイクロソフトが、ドル高による収益縮小を理由に4~6月期の業績予想を下方修正したのを嫌気し、下落して取引が始まった。
ただ、米民間雇用サービス会社ADPが同日発表した5月の全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数が前月比12万8000人増と、市場予想(ロイター通信調べ)の30万人増を大きく下回った。
市場では、過熱する労働市場に落ち着きが戻りつつあり、物価上昇圧力が弱まるとの見方が強まり、米連邦準備制度理事会(FRB)による急速な利上げへの懸念が後退。ダウ平均はプラスに転じた。
ブレイナードFRB副議長は2日の米メディアで、インフレ率が低下しなければ「利上げの休止を予想するのは非常に難しい」と述べ、9月以降も金融引き締め路線が継続するとの見方を示した。一方で、クリーブランド連邦準備銀行のメスター総裁は同日の講演で、インフレが落ち着けば、利上げペースを減速させる可能性があると指摘した。
マイクロソフトはドル高の影響を反映させて業績予想を下方修正した。朝方は売りが先行したが、事業の健全性に関わる修正ではないとの見方が広がり、午後に上昇に転じた。長期金利上昇が頭打ちになったのと相まってハイテク株への買いを誘い、顧客情報管理のセールスフォースは7%高で終えた。スマートフォンのアップルも高い。
利上げが景気を冷やす見方が弱まり、景気敏感株も買われた。航空機のボーイングが急伸、機械のハネウェル・インターナショナルの上昇も目立った。ホームセンターのホーム・デポやクレジットカードのビザといった消費関連株も買われた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日比322.438ポイント(2.7%)高の1万2316.898で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや電気自動車のテスラ、半導体のエヌビディアなど主力株が総じて上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
33,248.28+435.05
S&P500種
4,176.82+75.59
ナスダック
12,316.898+322.438
FTウィルシャー5000
42,415.04+819.34
NY金(ドル/トロイオンス)
1,871.40+22.70
NY原油(ドル/バレル)
117.25+0.38
円・ドル
129.86 – 129.88-0.02
【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前日比345円高の2万7775円で引け、2日の大取終値を315円上回った。米ADPが2日発表した5月の全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に下回り、大幅利上げ継続への警戒感がやや薄れ、日経平均先物は米株とともに買われた。引けにかけて一段高となり、この日の高値近くで取引を終えた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27775 ( +315 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27780 ( +320 )
※( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
英国は祝日のため休場。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14485.17(+144.70)
2日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに反発し、前日比144.70ポイント(1.0%)高の1万4485.17で終えた。前日までの続落を受け、自律反発狙いの買いが優勢だった。午後に米国株が上昇に転じると、ドイツ株は上げ幅を広げた。
DAXでは、医療機器ザルトリウスが5.2%高と上昇率トップ。料理宅配大手デリバリーヒーロー(4.5%高)やスポーツ用品大手プーマ(3.8%高)も買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6500.44(+81.55)
フランスCAC40種指数は1.27%高だった。
取引参加者が限られる中、買いが先行した。
