【寄り付き概況】
9日午前の日経平均株価は、前営業日比44円94銭安の2万8189円35銭で始まった。東証株価指数(TOPIX)は、3.97ポイント安の1966.01で始まった。
足もとで主力株を中心に利益確定の売りが優勢となっている。前日の米国株市場では主要株価指数が揃って3日ぶりに反落し、NYダウは270ドル弱の下げで前の日の上昇分を吐き出す格好となった。原油価格の高騰がインフレを高進させる要因として警戒され、企業業績に対する影響も改めて懸念されている。
これを受けて東京株式市場も、リスク回避目的の売りが表面化しやすいだろう。一方、外国為替市場で急速な円安が進んでいることは、輸出株にプラス材料として働くが、円安の速度が速すぎることへの警戒感も浮上しそうだ。
外国為替市場では円相場が1ドル=134円台まで円安・ドル高が進んでおり、輸出採算が改善するとの見方からトヨタなど自動車株に買いが入っている。
業種別では、INPEX、石油資源などの鉱業株や、バンナム、任天堂などのその他製品株が上昇。NTT、ソフバンGなどの情報通信株や、東洋紡、東レなどの繊維株も高い。トヨタ、ホンダなどの輸送用機器株や、出光興産、ENEOSなどの石油石炭製品株も堅調。武田薬、中外薬などの医薬品株や、三井不、三菱地所などの不動産株も上げている。
個別では、ソフトバンクグループやテルモ、エムスリーが高く、ヤマハ、任天堂、スズキが上昇。半面、商船三井や郵船など海運株が大幅安。東エレク、アドテスト、日揮HDも安い。
