3月31日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比550ドル46セント(1.6%)安の3万4678ドル35セントで終えた。
3月後半以降の急ピッチな上昇を受け、月末と四半期末が重なったこの日は、幅広い銘柄に利益確定の売りが出た。足元で相場上昇をけん引していた消費関連やハイテク株の下げが目立ち、ダウ平均は取引終了にかけ下げ幅を広げる展開だった。
3月のダウ平均は785ドル(2.3%)高となった。月間で上昇するのは2021年12月以来、3カ月ぶり。
ロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、29日の両国の交渉を機に広がった停戦への期待が急速にしぼんでいる。ロシアが表明した軍事作戦縮小に対し、欧米は懐疑的な見方を示す。また、ロシアは31日、日米欧がロシア産天然ガスを輸入する際の決済通貨として、同国通貨ルーブルしか認めない意向を表明し、エネルギー価格高騰リスクが高まった。
中国の上海市は4月1日から西部を対象に都市封鎖(ロックダウン)を実施する。都市封鎖に伴う中国の景気減速が世界経済に悪影響を及ぼすとの見方が強まった。中国関連株と位置付けられる航空機のボーイングや工業製品・事務用品のスリーエムが売られた。
ウクライナ情勢も引き続き投資家心理の重荷となった。ウクライナとロシアは1日に停戦協議をオンラインで再開する見通しとされるが、ロシアは軍事的な圧力を緩めていないもよう。ウクライナ問題の長期化観測が強まった。
ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが6%下落した。朝方発表の四半期決算は売上高などが市場予想を上回ったものの、先行きの業績に対する不透明感から売りが優勢となった。ホームセンターのホーム・デポやスポーツ用品のナイキ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーの下げが目立った。ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルも安い。
石油のシェブロンは2%下げた。バイデン米政権が31日、今後6カ月間にわたって戦略石油備蓄を1日当たり平均100万バレル放出すると明らかにした。需給逼迫が和らぐとの見方から米原油先物相場は前日比7%下げた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比221.756ポイント(1.5%)安の1万4220.519で終えた。アナリストが投資判断を引き下げた半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が8%安と大幅に下げた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムにも売りが出た。
3月のナスダック指数は3.4%高だった。月間で上昇するのは3カ月ぶり。ただ、四半期(1~3月期)では9.1%下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,678.35-550.46
S&P500種
4,530.41-72.04
ナスダック
14,220.519-221.756
FTウィルシャー5000
46,253.05-722.72
NY金(ドル/トロイオンス)
1,954.00+15.00
NY原油(ドル/バレル)
101.01+0.73
円・ドル
121.75 – 121.76+0.12
【シカゴ日本株先物概況】
3月31日のシカゴ日経平均先物は続落した。6月物は前日比225円安の2万7535円で引け、31日の大取終値を295円下回った。ウクライナ情勢をめぐって不透明感が続く中、インフレによる景気先行きへの警戒感を背景に日経平均先物は米株とともに売られた。米原油相場の下落に伴い買いが入る場面もあった。バイデン米政権は31日、石油備蓄の放出を表明した。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27535 ( -255 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27585 ( -205 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7515.68(-63.07)
3月31日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日に比べ63.07ポイント(0.83%)安の7515.68で引けた。ロシア産天然ガスの供給継続が不安視され、インフレ圧力の高まりが消費を抑制するとの警戒感から売りが出た。
FTSEの個別銘柄では、英食品・日用品大手ユニリーバが2.6%安とさえず、原油安を背景に英石油大手BPも1.9%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14414.75(-191.30)
3月31日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比191.30ポイント(1.31%)安の1万4414.75で終えた。ロシア産天然ガスの供給継続に不透明感が広がった。供給制約によるエネルギーコストの上昇がドイツ景気に及ぼす悪影響を懸念した売りが出た。独自動車大手メルセデス・ベンツが2.4%安と軟調だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6659.87(-81.72)
フランスCAC40種指数は1.21%安となった。
西側諸国とロシアのエネルギーをめぐる対立が決定的となり、欧州経済への打撃にも懸念が広がった。仏金融大手ソシエテ・ジェネラルが3.6%の大幅安となった。
