新興市場展望

今週の新興市場では、日経平均が3週ぶりの下落となる一方で、マザーズ指数は3週連続の上昇となった。名実ともに新年度相場入りし、期末配当に絡んだ需給イベントを通過したことで日経平均のリバウンド一服感が意識されたとみられ、個人投資家の物色の矛先が中小型株に向いた。これまで米金融引き締め観測からマザーズ銘柄のような中小型グロース(成長)株は株価水準が大きく落ち込んでいたこと、米長期金利の上昇が足元一服していることも押し目買いを後押ししたと考えられる。
 
週間の騰落率は、日経平均が-1.7%であったのに対して、マザーズ指数は+4.2%、日経ジャスダック平均は-0.2%だった。
 
来週の新興市場では、目先リバウンドが続くとみておきたい。米個人投資家向け調査では「弱気」意見が後退し、やはり中小型グロース株に買いが向かっている。
 
こうした事情は日本でも同様とみられ、JTOWERの人気化が呼び水となってマザーズの売買代金が膨らんでいるのも大きい。一方、米長期金利が見た目伸び悩んでいるのに反し、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利のマイナス幅はかなり縮小してきた。米連邦準備理事会(FRB)のインフレ抑制姿勢が背景にあり、米金融引き締めによる波乱の芽は残るとみておいた方がよいだろう。なお、4月4日から東証新市場「グロース」が465銘柄(外国株含む)でスタートする。
引き続き需給重視の投資家の物色が活発となりそうだ。

 

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