4日午前の日経平均株価は小幅に続落し、前引けは前週末比39円21銭(0.14%)安の2万7626円77銭だった。
きょう前場の東京株式市場は強弱観が対立するなか、前日終値を挟んで方向感の見えない動きとなった。きょうから「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編されたが初日ということもあり様子見ムードが強い。
前日の欧米株市場は総じて堅調な値動きだったが、米国株市場は主要株価指数が一時マイナス圏に沈むなど、不安定な値動きで、東京株式市場では下値抵抗力は発揮しながらも上値を買い進む動きは見られなかった。米株価指数先物がマイナス圏で推移していることも買いを手控えさせた。
値がさの半導体関連や自動車など主力株の一角が売られ、日経平均を押し下げた。相場全体を方向付ける材料に乏しく、午前を通じて小幅な値動きにとどまった。
前週末の米株式市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が下落し、東京市場でも東エレクなど値がさの半導体関連銘柄の売りにつながった。
中国で新型コロナウイルスの感染が広がっていることも投資家心理の重荷となった。上海では部分的なロックダウン(都市封鎖)が続いており、中国の消費やサプライチェーン(供給網)への影響を懸念する見方があった。
新興企業向け市場では東証マザーズ指数が2.5%超上昇し、「新年度入りに伴う資金流入への期待が支えとなり、グロース(成長)株の上昇が目立った」との指摘が出ていた。
東証株価指数(TOPIX)は小幅に反発した。午前終値は前週末比1.24ポイント(0.06%)高の1945.51だった。
東証の市場再編に伴い、きょうから最上位のプライム市場などが始動した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆506億円、売買高は4億7202万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は699と、全体の4割弱だった。値上がりは1082、変わらずは58だった。
業種別株価指数(33業種)では、その他金融業、陸運業、空運業などが下落した。上昇は海運業、医薬品、鉱業など。
個別では、売買代金首位となったソフトバンクグループが堅調、僅差で売買代金2位となった日本郵船など海運株の強さが目立った。任天堂、ソニーグループなどが強調展開となり、エムスリーも買い優勢。ジェイテックコーポレーションが値を飛ばし、サイバーリンクス、ラクスなども大幅高。アステラス、オリンパス、リクルート、KDDIが買われた。
半面、東京エレクトロンが売られ、ファーストリテイリングも軟調。三井ハイテックなども利食われた。Link-Uが急落、マルマエ、BEENOSなども大幅安となった。セブン&アイ、三越伊勢丹、オムロン、デンソーが売られた。
