東京証券取引所は、これまでの「東証1部」「東証2部」「ジャスダック」「マザーズ」の4市場が、4日からは「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編された。今回の東証再編は、2部市場が創設された1961年以来、約60年ぶりの改革とも呼ばれている。
プライムには1800社強、スタンダードには1400社強、グロースに400社強が上場した。実質最上位市場のプライムには東証1部の8割強の企業が移り「実質的にはあまり代わり映えしない」(アナリスト)との声もあるが、上場基準は厳しくなり300社近くの企業が計画書を出し経過措置を活用して、プライム市場に移行した。また、東証1部に上場していた日本オラクル<4716>やアコム<8572>などはスタンダード市場に上場したほか、大正製薬ホールディングス<4581>やキャンドゥ<2698>などはプライム上場基準を満たしながらも、スタンダード市場に上場した。
新たに3市場が4日始動する。従来より厳しい上場基準で分けられ、実質最上位の「プライム」には1839社が上場する。東証1部に比べて上場企業数が減り、1社あたりの平均時価総額は3843億円と17%増える。企業統治は強化されるが利益成長を欠き、海外マネーをひき付けるのに十分でない。東京市場の活性化に向けた改革はなお途上だ。
プライムの上場維持基準を満たさないが、経過措置を活用してプライムに上場する企業は295社ある。スタンダードも経過措置の適用企業が209社ある。こうした企業が利益成長や投資家向け広報(IR)の積極化で企業価値を伸ばしていくことで基準を上回るかどうかも焦点になる。
また、グロース市場に上場したメルカリ<4385>やメドレー<4480>などはプライム市場への上場の意向を示しており、東証再編に絡む変革の動きはこれから一段と進むとみられている。
