11日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前週末比192円34銭安の2万6793円46銭だった。下げ幅は一時200円を超えた。
東証株価指数(TOPIX)は11.61ポイント安の1885.18で午前の取引を終えた。
前日の米国株市場でハイテク株が売られた地合いを引き継いでハイテクセクターの主力どころを中心にリスク回避の売りが優勢となった。半導体関連株に安いものが多く、全体指数を押し下げた。途中は押し目買いに下げ渋る局面もあり、日経平均は小幅プラス圏で推移する場面もあったが、前場後半は再び売り直される展開に。アジア株が総じて安く推移していることも嫌気された。
東京株式市場でも米長期金利上昇で相対的な割高感が意識されやすくなる高PER(株価収益率)のハイテク株に朝方から売りが出た。半導体関連株など日経平均寄与度の大きい値がさ株も多く、指数を押し下げた。
国内企業業績の不透明感も重荷になったようだ。安川電は前週末に好調な今期見通しを示したにもかかわらず、朝高後に下げに転じた。「米国の金融引き締めやウクライナ情勢など外部環境で懸念材料が多く、投資家は国内企業業績の先行きに警戒を強めている」との指摘がある。
日経平均は上げに転じる場面もあった。25日移動平均(2万6777円、8日時点)近辺まで下げると、バリュー(割安)株などに押し目買いが入ったが、続かなかった。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆1754億円、売買高は5億4645万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1333と、全体の約7割を占めた。値上がりは463銘柄、変わらずは43銘柄だった。
業種別では電気・ガス、鉱業、銀行などが上昇している一方、精密機器、電気機器、情報・通信などが下落している。
個別では、レーザーテック、東京エレクトロン、アドテストなど半導体関連株が安く、ファーストリテイリングも売られた。ソニーグループ、安川電機なども売りに押された。ベイカレント・コンサルティングが急落、エムスリー、ZHD、ダイキン、キーエンスなども安い。
半面、東京電力ホールディングスが商いを膨らませ急騰、中部電も上昇。千葉銀や静岡銀も買われた。カーブスホールディングス、酉島製作所なども大きく上昇した。ワキタ、アステリア、レノバなども高い。
