ダウ反落113ドル安、金利上昇、ハイテク株に売り

14日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比113ドル36セント(0.3%)安の3万4451ドル23セントで終えた。
 
取引開始前に四半期決算を発表した金融株などに買いが先行し、ダウ平均は上昇して始まった。買い一巡後は米長期金利の上昇を受けて高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが強まると、ダウ平均も下げに転じた。米株市場は15日からイースター(復活祭)で3連休となるため、取引終了にかけては持ち高調整の売りも膨らんだ。
 
ダウ平均は、買いが先行して取引が始まった。朝方に発表した1~3月決算の1株当たりの利益が市場予想を上回ったゴールドマン・サックスやユナイテッドヘルス・グループが上昇し、相場をけん引。一時320ドル超上昇した。ただ、勢いは続かず、マイナス圏に沈んだ。
決算銘柄が売りに押される展開となり、ダウ平均も上げ幅を縮小した。
 
午後に米債券市場で長期金利が一時、前日比0.13%高い(価格は安い)2.83%に上昇し、12日に付けた2018年12月以来の高水準に並んだ。米連邦準備理事会(FRB)によるインフレ抑制を目的とした金融引き締めペースの加速による米金利の先高観が改めて意識された。金利上昇時に相対的な割高感が強まりやすいハイテク株が売られた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムとスマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフトはそれぞれ3%下落した。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比292.508ポイント(2.1%)安の1万3351.079と、1カ月ぶりの安値で終えた。電気自動車のテスラが4%下げた。イーン・マスク最高経営責任者(CEO)が14日に短文投稿サイトのツイッターに買収提案した。マスク氏が保有するテスラ株を売却して買収資金を確保するとの観測が重荷となった。
 
ニューヨーク証券取引所に上場するツイッターも一時6%上げたが、マスク氏による買収実現への不透明感から下落で終えた。
 


【シカゴ日本株先物概況】

14日のシカゴ日経平均先物は小幅に反落した。
6月物は前日比35円安の2万6915円で引け、14日の大取終値を275円下回った。米株式相場が米長期金利の上昇を受け反落し、日経平均先物も売られた。
15日からのイースター(復活祭)の3連休を前に積極的な取引を手控える向きも多く、売買高は限られた。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
​14日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ35.58ポイント(0.47%)高の7616.38で引けた。欧州中央銀行(ECB)の理事会での結果を受けてドイツなどユーロ圏の株式相場が堅調に推移し、英国株に買いが波及した。

 
ECBが14日の理事会後に公表した声明では、国債など資産の新規買い入れの終了時期について「7~9月期」との方針が維持された。市場の一部では終了時期を前倒しする可能性も意識されていただけに、ECBは想定ほど金融政策の正常化を急がないと受け止められた。
個別銘柄では、欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が4.1%の大幅高、英ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループも3.7%高と、強い旅行需要を背景に観光株が買われた。​​​​​​

■ドイツ・フランクフルト株価指数
14日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反発し、前日比87.41ポイント(0.62%)高の1万4163.85で終えた。欧州中央銀行(ECB)が14日の理事会後に公表した声明では、国債など資産の新規買い入れの終了時期について「7~9月期」との方針が維持された。利上げについても、量的緩和政策の終了後「しばらくしてから実施し、緩やかなものになる」との見通しを据え置いた。ECBは想定ほど金融政策の正常化を急がないとの見方から、株式市場では買いが優勢となった。

DAXでは欧州航空機大手エアバスが1.7%高と堅調だった。

■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.72%高となった。CACでは仏乳製品大手ダノンが2.5%高と締まった。

 

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