新興市場展望

 
今週の新興市場では、日経平均が3週ぶりにやや上昇する一方、マザーズ指数は2週連続の下落となった。4月12日の米3月消費者物価指数(CPI)発表を前にインフレへの警戒感から米長期金利が上昇すると、東京株式市場でもグロース(成長)株に売りが出た。
 
米国市場などの下落基調に連動して軟調な推移となったものの、マザーズ指数は25日移動平均線に下支えされた展開となった。ただ、日経平均株価が大幅安した12日にマザーズ指数が逆行して上昇。逆に13日は全面高商状の中で小幅安となった。個別ベースでも独自の値動きとなっていく銘柄が増えてきており、先行きへの期待感が膨らんできている。
 
なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.4%であったのに対して、マザーズ指数は-3.4%、東証グロース市場指数は-3.3%だった。
 
来週の新興市場では、一段と外部環境を睨み神経質な展開となることを想定しておきたい。米CPI発表後の株式・債券相場のリバーサル(反転)は予想以上に短命で、インフレ懸念と金利上昇圧力の強さを感じざるを得ない。
米10年金利の3%到達や、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利のプラス転換が視野に入りつつあり、原油価格が足元反騰してきていることなども気掛かり。先行きへの期待と不安でもみ合うマザーズ指数だが、日足チャートでは煮詰まり感が出てきており、上下に大きく放れる可能性もありそうだ。
 
今週も東証グロース市場の売買代金は4月初めほど多くなく、時価総額の大きい主力株より値動きの軽い小型材料株に物色の矛先が向きやすいだろう。また、米金利上昇で高バリュエーション銘柄も上値が重くなってきた。
 
ただ、東京株式市場全般に逆行した展開を見せる日が増えてきており、外部環境などに影響を受けにくい動きが目立ってきつつある。個別ベースでの参戦妙味は高まってきているだろう。
 

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