20日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比249ドル59セント(0.7%)高の3万5160ドル79セントで終えた。IT(情報技術)大手のIBMなど市場予想を上回る四半期決算を発表した銘柄が買われ、上昇をけん引した。インフレの高止まりや米金融引き締めの中でも景気や企業業績は底堅いとの見方も買いを後押しした。
1~3月期決算が好感されたIBMとプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が買われ、ダウ平均の上げをけん引。ダウの上げ幅は一時約400ドルとなった。IBMは売上高や1株当たり利益が市場予想を上回ったほか、通期予想も強気の内容。P&Gも売上高や1株当たり利益が市場予想を上回った。同社は原材料費の高騰を受けて家庭用品などで値上げに踏み切ったものの、堅調な売り上げを維持した。通期の売上高見通しも上方修正した。
銘柄でダウ平均を88ドル程度押し上げた。
景気敏感株が相場上昇をけん引した前日と異なり、ヘルスケアなどディフェンシブ株への買いが目立った。ドラッグストラのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス、医療保険のユナイテッドヘルス・グループが高い。飲料のコカ・コーラも買われた。市場では「インフレが加速する中でも販売が伸びたP&Gの決算を受け、消費減速の懸念が和らいだ」との声もあった。
一方、映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーが6%安となり、ダウ平均の重荷となった。動画配信のネットフリックスが前日夕に発表した1~3月期決算で世界の有料契約者数が減少に転じ、株価は35%安と暴落した。動画配信に注力するディズニーに連想売りが広がった。
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比166.592ポイント(1.2%)安の1万3453.065で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや電気自動車のテスラ、半導体のエヌビディアなど主力銘柄が下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,160.79+249.59
S&P500種
4,459.45-2.76
ナスダック
13,453.065-166.592
FTウィルシャー5000
45,477.42-104.88
NY金(ドル/トロイオンス)
1,955.60-3.40
NY原油(ドル/バレル)
102.17-0.02
円・ドル
128.15 – 128.18-0.50
【シカゴ日本株先物概況】
20日のシカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比80円安の2万7180円で引け、20日の大取終値と並んだ。20日の米株式市場では、金利の上昇が一段落したほか、ITサービスのIBMや消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブルの好決算を好感した買いに、寄り付き後、上昇。ダウは終日堅調に推移した。一方、ナスダック総合株価指数が反落し、引けにかけて売られた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27180 ( 0 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27205 ( +25 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7629.22(+27.94)
20日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日に比べ27.94ポイント(0.37%)高の7629.22で引けた。新型コロナウイルス禍からの需要の戻りの強さが英経済を支えるとの期待から、銀行や資本財など景気敏感株が買われた。前日に売られていた日用品や飲食料品など消費関連株も買い直された。
FTSEでは、指数構成銘柄の約7割が上昇。金融大手ナットウエスト(2.5%高)や同HSBCホールディングス(2.4%高)など金融関連株の上げが目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14362.03(+208.57)
20日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に反発し、前日に比べ208.57ポイント(1.47%)高の1万4362.03で終えた。好調な2022年1~3月期決算を発表する欧州企業が相次いだ。ウクライナ情勢の不透明感が続くなかでも、欧州景気は底堅く推移するとの見方が広がり、幅広いセクターに買いが入った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6624.91(+90.12)
フランスCAC40種指数は1.38%高だった。
前日の米国株の上昇を好感し、朝方から買いが優勢となった。
