ダウ今年最大の下げ981ドル安、金融引き締め警戒で

 
22日のNYダウ工業株30種平均は大幅続落し、前日比981ドル36セント(2.8%)安の3万3811ドル40セントと3月15日以来の安値で終えた。
米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが景気を冷やすとの懸念が強まり、幅広い銘柄が売られた。決算発表を受けて一部銘柄が売られ、相場の重荷となった。ダウ平均の下げ幅は取引終了間際に一時1000ドルを超えた。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は21日、5月に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の大幅利上げを検討する方針を表明。大幅な利上げが連続して行われるとの予想が出る中、過度な金融引き締めに伴う景気の急減速が懸念されている。
 
前日に2.9%台に上昇した米長期金利が高止まりし、相対的な株式の割高感が意識された面もあった。
ダウ平均を構成する30銘柄が全て下落した。今週前半に戻りが目立った景気敏感株や消費関連株が売られ、建機のキャタピラーが7%安、スポーツ用品のナイキが5%安で終えた。金融のゴールドマン・サックスも4%下げた。
 
22日に2022年1~3月期決算を発表した通信のベライゾン・コミュニケーションズは、通期予想の1株利益が市場予想を下回り、6%下落した。インフレで消費者の購買力が低下し、携帯電話の高額プランの契約が減る見通しという。「来週にピークを迎える米企業の決算発表への懸念を誘った」との指摘があった。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比335.359ポイント(2.5%)安の1万2839.293と3月14日以来の安値で終えた。グーグルの親会社アルファベットやネット通販のアマゾン・ドット・コム、半導体のエヌビディアなど主力銘柄が総じて売られた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
33,811.40-981.36
S&P500種
4,271.78-121.88
ナスダック
12,839.293-335.359
FTウィルシャー5000
43,517.99-1,214.61
NY金(ドル/トロイオンス)
1,934.30-13.90
NY原油(ドル/バレル)
101.75-2.04
円・ドル
128.54 – 128.56+0.52

 


【シカゴ日本株先物概況】

22日のシカゴ日経平均先物は続落した。6月物は前日比400円安の2万6755円で引け、22日の大取終値を345円下回った。
21日、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が大幅利上げを示唆したことを受けた投資家心理の悪化で、寄り付き後下落。終日、年内の利上げペース加速を警戒した売りが続き、引けにかけて下げ幅を拡大した。
日経平均先物は米株とともに売り進まれた。引けにかけて売り進まれ、この日の安値近くで取引を終えた。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26755 ( -345 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26790 ( -310 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

22日のFTSE100種総合株価指数は大幅に続落した。前日に比べ106.27ポイント(1.39%)安の7521.68で引けた。市場予想を下回る英経済指標の発表で経済成長の鈍化懸念が広がり、幅広いセクターに売りが出た。
FTSEでは、小売大手B&Mヨーロッピアン・バリュー・リテールが6.1%安、鉱業大手アングロ・アメリカンが5.9%安など、消費関連株や資源関連株が売り込まれた。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

22日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに大幅反落し、前日に比べ360.32ポイント(2.48%)安の1万4142.09で終えた。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極化し、欧州中央銀行(ECB)も前倒しで金融政策の正常化を進めるとの警戒感から、ほぼすべての銘柄が売られた。

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は1.99%安の6581.42だった。
前日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長によるタカ派的な発言をきっかけに、急速な金融引き締めへの警戒感が強まった。

 

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