NYダウ238ドル高、金利の低下を好感

 
25日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前週末比238ドル06セント(0.7%)高の3万4049ドル46セントで終えた。
新型コロナウイルスの感染が広がる中国の景気が減速するとの懸念から売りが先行した。売り一巡後は米長期金利の低下を支えに足元で下げが目立っていたハイテク株を中心に買いが入り、相場全体を押し上げた。
 
ダウ平均は米中経済の先行き懸念が重しとなり、中盤までマイナス圏で推移。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は21日、5月の金融政策会合で0.5%の大幅利上げを検討すると明言した。急速な金融引き締めが景気を悪化させかねないとの警戒感が広がり、ダウの下落幅は前2営業日で計約1350ドルに達した。
 
中国では新型コロナの新規感染者数が増加している。上海市以外でも都市封鎖(ロックダウン)への警戒が強まり、25日の上海株式相場は急落した。リスク回避に伴う動きで相対的に安全資産とされる米国債が買われ、米長期金利は前週末比0.14%低い(債券価格は高い)2.76%に急低下する場面があった。幅広い銘柄に売りが先行し、ダウ平均は488ドル下げる場面があった。
 
売り一巡後は金利との比較で相対的な割高感が意識されていた高PER(株価収益率)のハイテク株に買い直しの動きが広がった。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップル、顧客情報管理のセールスフォースが上昇した。
 
同じく売りが先行した消費関連株にも買いが入った。米原油先物相場が大幅に下落し、ガソリン高などを通じて消費が圧迫されるとの警戒感が和らいだ。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスやホームセンターのホーム・デポ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーが買われた。
 
半面、原油安で石油のシェブロンが安い。中国関連株と位置付けられる航空機のボーイングと工業製品・事務用品のスリーエムも下げた。
 
ダウ平均は取引終了にかけ上げ幅を広げた。月末にかけて年金基金などの運用資産のリバランス(配分調整)に伴う「株買い需要が強まる」(JPモルガン)との見方があった。
 
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前週末比165.559ポイント(1.3%)高の1万3004.852で終えた。ネット検索のアルファベットが3%上昇した。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体関連が買われた。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,049.46+238.06
S&P500種
4,296.12+24.34
ナスダック
13,004.852+165.559
FTウィルシャー5000
43,785.54+267.54
NY金(ドル/トロイオンス)
1,896.00-38.30
NY原油(ドル/バレル)
98.62-3.45
円・ドル
128.12 – 128.18-0.07
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

25日のシカゴ日経平均先物は小幅に反発した。6月物は前週末比40円高の2万6795円で引け、25日の大取終値を255円上回った。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中国の都市封鎖が世界経済の減速に繋がるとの懸念や中国株式市場の下落を警戒した売りに、寄り付き後、下落。その後、JDドットコムなど中国株が下げ止まると、国内のハイテク株も買い戻され上昇に転じた。日経平均先物に買いが波及した。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26795 ( +255 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26820 ( +280 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7380.54(-141.14)
25日のFTSE100種総合株価指数は大幅に3日続落した。前週末に比べ141.14ポイント(1.88%)安の7380.54と3月16日以来の安値で引けた。新型コロナウイルスの新規感染者数の増加で、中国ではロックダウン(都市封鎖)措置がとられる地域が広がるとの警戒感が強まった。中国経済の鈍化懸念から原油など商品相場が下落し、株式市場でも石油や資源株などに売りが出た。
FTSEの個別銘柄を見ると、英鉱業大手アングロ・アメリカンが6.8%の大幅安となるなど、資源株の下げが目立った。原油安を背景に英石油大手BP(6.2%安)、同シェル(5.2%安)も売られた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13924.17(-217.92)
25日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に続落した。前週末に比べ217.92ポイント(1.54%)安の1万3924.17と3月15日以来の安値で終えた。中国の経済成長の鈍化懸念や米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めペースの加速が、世界的な景気減速につながるとの懸念から金融や消費財、鉱業など幅広い銘柄の売りにつながった。DAXでは、ドイツ銀行が5.7%安と軟調だった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6449.38(-132.04)
フランスCAC40種指数は2.00%安となった。フランス大統領選は現職のマクロン氏が再選を決めたものの、市場の事前予想通りとあって相場の反応は乏しかった。CACでは、仏複合企業LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)が3.8%安とさえなかった。

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