26日のNYダウ工業株30種平均は大幅反落し、前日比809ドル28セント(2.4%)安の3万3240ドル18セントと3月中旬以来の安値で終えた。
中国で新型コロナ感染が拡大し、経済都市の上海市では3月下旬以降、大半の地域でロックダウン(都市封鎖)が続いており、長期化の様相を呈している。北京市でも感染が広がりつつあり、当局は、行動規制を導入し、住民への検査を強化した。26日の中国株式市場では、景気悪化懸念が強まり、続落。米市場でも、世界経済の減速やサプライチェーン(供給網)混乱への警戒感から売りが先行した。米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な金融引き締めによる景気減速リスクが意識されていることも引き続き、重荷となっている。
中国売上高比率が高いスポーツ用品のナイキが6%、航空機のボーイングが5%下げた。26日朝に発表した22年1~3月期決算で、供給制約が今後の業績の下振れ要因になると指摘した工業製品・事務用品のスリーエム(3M)は3%安で終えた。
ナスダック総合株価指数は大幅反落し、前日比514.109ポイント(4.0%)安の1万2490.743で終えた。3月14日に付けた年初来安値を更新し、2020年12月以来の安値で終えた。下落率は今年最大だった。
高インフレに対応するために米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めペースを速めることへの警戒も相場の重荷だった。急激な引き締めが米景気を冷やすとの懸念から、クレジットカードのビザなど消費関連銘柄が下げた。
ハイテク株の売りも目立ち、ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルがともに4%下落した。決算を控えた売りに加え、金融引き締め局面で高PER(株価収益率)銘柄の割高感が強まりやすいことが売りを誘った。
ダウ平均は引けにかけて下げ幅を拡大し、この日の安値圏で終えた。指数を構成する30銘柄がすべて下げた。
ダウ平均の構成銘柄以外では電気自動車のテスラが12%安と急落した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が短文投稿サイトのツイッター買収でテスラ株を売却して資金を調達するとの臆測が売りを誘った。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや動画配信のネットフリックスも大幅安だった。
NYダウ工業株30種(ドル)
33,240.18-809.28
S&P500種
4,175.20-120.92
ナスダック
12,490.743-514.109
FTウィルシャー5000
42,520.00-1,265.54
NY金(ドル/トロイオンス)
1,904.10+8.10
NY原油(ドル/バレル)
101.80+0.10
円・ドル
127.02 – 127.06-0.85
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は大幅に反落した。6月物は前日比730円安の2万6065円で引け、26日の大取終値を585円下回った。
中国のコロナウイルス感染拡大に伴う景気減速を警戒する売りが強まった。世界景気の悪化懸念から幅広い銘柄が売られる展開となった。米利上げペースの加速が景気を下押すとの懸念も根強い。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26065 ( -585 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26090 ( -560 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7386.19(+5.65)
26日のFTSE100種総合株価指数は小幅に4営業日ぶりに反発した。前日に比べ5.65ポイント(0.08%)高の7386.19で引けた。中国経済の成長鈍化懸念による商品相場の下落で、前日に大きく下げていた石油や資源株が値ごろ感から買い直された。
FTSEの個別銘柄を見ると、スイス資源大手グレンコア(3.4%高)、メキシコ産金大手フレスニーヨ(3.3%高)など資源株が締まった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13756.40(-167.77)
26日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に3日続落した。前日に比べ167.77ポイント(1.20%)安の1万3756.40で終えた。26日の米株式相場の下落が投資家心理を冷やし、英国時間の午後にかけて急速に売りが強まった。DAXでは独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が2.4%安と軟調となった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6414.57(-34.81)
フランスCAC40種指数は0.54%安となった。午前中は底堅かったが、午後に入って米国株の軟調な寄り付きを眺めて値を消した。CACでも仏自動車ルノーが4.3%安とさえなかった。
