28日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比614ドル46セント(1.8%)高の3万3916ドル39セントで終えた。
前日夕に決算を発表した交流サイトのメタプラットフォームズが急伸し、主力ハイテク株に買いが広がった。ハイテク株以外の好決算銘柄が買われたのも相場を押し上げた。
メタ(旧フェイスブック)の1~3月期決算で、利用者数の伸びが市場予想を上回ったことなどが好感され、同社株が急伸。28日夕に発表を控えるアップルやアマゾン・ドット・コムの決算にも期待が広がり、時価総額が大きいこれらの銘柄が相場全体を押し上げた。
ペイパル・ホールディングスやクアルコムなどのハイテク株も、決算が好感され急伸。ダウ構成銘柄のマクドナルドやメルクの決算も市場予想を上回り、企業業績の先行き懸念が和らいだ。米長期金利の上昇に伴い、特にハイテク株は今月に入り大きく売られており、一部企業の好決算をきっかけに安値拾いの買いも入った。
米金融引き締め観測などから足元で売られていた高PER(株価収益率)のハイテク株全般に買い直しが広がった。顧客情報管理のセールスフォースが6%上げ、スマートフォンのアップルは5%高で終えた。
ハイテク以外の好決算銘柄への買いも相場を押し上げた。朝方に増収増益決算と通期見通しの引き上げを発表した製薬のメルクが5%上昇。決算で売上高や1株利益が市場予想を上回った外食のマクドナルドも高い。
ダウ平均は朝方に小安くなる場面があったが、下値の堅さを確認すると幅広い銘柄に買いが広がり、午後に上げ幅を広げた。中国経済の減速懸念から売られていた中国売上高比率の高いスポーツ用品のナイキは5%上昇。ホームセンターのホーム・デポやクレジットカードのビザなど消費関連株が買われた。原油高を受けて石油のシェブロンも高い。
市場では「米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めへの警戒感に加え世界経済の不透明感も強く、相場の変動が高い状態は当面続きそう」との指摘があった。
朝方発表された1~3月期の米実質GDP(国内総生産)速報値は前期比1.4%減と、7四半期ぶりにマイナスに転じた。市場がプラス成長を予想していたこともあり、株価は取引中盤まで上値の重い展開をたどった。ただ、輸入の拡大や在庫投資の減少がGDPを押し下げた部分が大きく、「個人消費や設備投資などの国内需要は良好」と前向きな見方が目立った。こうした楽観論が広がる中、株価は取引後半以降、ハイテク株主導で上げ幅を拡大した。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比382.595ポイント(3.1%)高の1万2871.528で終えた。主力ハイテク株が軒並み上昇し、メタなど足元で下げがきつかったネット関連や半導体株の上昇が目立った。ネット検索のアルファベットは4%上昇し、前日夕に好決算を発表した半導体のクアルコムは10%上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
33,916.39+614.46
S&P500種
4,287.50+103.54
ナスダック
12,871.528+382.595
FTウィルシャー5000
43,602.48+1,031.90
NY金(ドル/トロイオンス)
1,891.30+2.60
NY原油(ドル/バレル)
104.84-0.52
円・ドル
130.67 – 130.69-0.19
【シカゴ日本株先物概況】
28日のシカゴ日経平均先物は大幅に続伸した。6月物は前日比900円高の2万7275円で引け、28日の大取終値を405円上回った。28日の米株式市場では企業の好決算を手掛かりに主要株価指数が上昇し、日経平均先物にも買いが入った。午後に入り上げ幅をさらに広げた後、引けにかけてやや伸び悩んだ。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27275 ( +405 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27315 ( +445 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
28日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日に比べ83.58ポイント(1.13%)高の7509.19で引けた。中国での新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感が後退し、投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。原油先物相場の上昇を手がかりにエネルギー株が買われた。好調な2022年1~3月期決算を発表した英銀行スタンダードチャータードが大幅上昇するなど、銀行株にも買いが入った。FTSEの個別銘柄を見ると、英金融大手スタンダード・チャータード(14%高)をはじめ、バークレイズ(3.1%高)、HSBCホールディングス(1.6%高)など銀行株の上昇が目立った。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
28日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前日に比べ185.90ポイント(1.35%)高の1万3979.84で終えた。中国当局が景気刺激策を打ち出すとの期待から同国景気の過度な悪化懸念が和らいだ。消費財やハイテク株を中心に幅広いセクターに買いが入った。
DAXでは独自動車大手メルセデス・ベンツが4.1%高と堅調だった。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.98%高だった。決算発表シーズンが佳境に入る中、好業績を発表した銘柄を中心に物色する動きが広がった。特に金融や自動車などで買いが入った。CACでは仏石油大手トタルエナジーズが3.7%高と締まった。
