4日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比932ドル27セント(2.8%)高の3万4061ドル06セントで終えた。上昇幅、上昇率とも今年最大。
景気敏感やハイテク株など幅広い銘柄が買い直された。4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が0.75%の大幅利上げに消極的な姿勢を示し、急激な金融引き締めの観測が後退した。
パウエル氏が午後の記者会見で「0.75%の利上げは積極的に検討されていない」と発言。買い安心感が広がり、ダウは上げ幅を急速に拡大した。
今後2回の会合で0.5%ずつの利上げを検討するという。金利先物市場では6月会合で0.75%の利上げが織り込まれていただけに、急激な利上げ観測が和らいだ。
米債券市場で国債利回りが大きく低下したのも株買いを後押しした。長期金利の指標となる10年債利回りは前日比0.07%%低い(債券価格は高い)2.90%を付け、金融政策の影響を受けやすい2年債利回りも急低下した。
市場では「FRBのタカ派姿勢を警戒して株価指数先物を売っていた投機筋が買い戻し、相場の急上昇につながった」との声が聞かれた。投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は前日比13%ほど低い25台に低下した。
主力株は軒並み大幅高となり、スマートフォンのアップル、建機のキャタピラー、機械のハネウェル・インターナショナルは4%を超える上昇となった。
全業種に買いが入る中、エネルギー、IT、通信が特に堅調だった。市場では「金利が下がったこともあり、特にハイテク株が極めて堅調だ。積極的な利上げの程度に関し、不透明感が払拭(ふっしょく)されたため、しばらくは相場の戻りが続くのではないか」との指摘が聞かれた。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比401.099ポイント(3.2%)高の1万2964.856で終えた。ネット検索のアルファベットや交流サイトのメタプラットフォームズなど主力株がそろって上昇した。前日夕に発表した四半期決算と通期見通しが市場予想を上回った半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が9%高と急伸。エヌビディアなど他の半導体株にも買いが波及した。
【シカゴ日本株先物概況】
4日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前日比360円高の2万7425円で引け、2日の大取終値を615円上回った。
4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が0.75%の大幅利上げについて消極的な見方を示した。利上げペースの加速による景気減速への警戒感がやや薄れ、日経平均株価は米株とともに買われた。FOMCでは予想通り0.5%の利上げを決めた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27425 ( +615 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27455 ( +645 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
4日のFTSE100種総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。前日に比べ67.88ポイント(0.90%)安の7493.45で引けた。前日まで5日続伸していたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、利益を確定する目的の売りが広がった。
FTSEでは指数構成銘柄の8割超が下落。好業績を発表した賭け屋大手フラッター・エンターテインメントは5.1%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
4日のドイツ株価指数(DAX)は反落した。前日に比べ68.65ポイント(0.49%)安の1万3970.82で終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、投資家が株式への慎重姿勢を強めた。ユーロ圏の3月の小売売上高が低調だったのを受け、小売り株が売られた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は1.24%安だった。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、急激な利上げへの警戒感から売りが優勢となった。
