ダウ続落98ドル安、景気悪化警戒

 
6日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比98ドル60セント(0.3%)安の3万2899ドル37セントで終えた。
朝方発表の4月の米雇用統計が労働市場の需給逼迫と高い賃金上昇を示した。インフレ高止まりが意識され、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが続くと警戒する売りが広がった。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ高止まりに対処するため急速に金融引き締めを進めると、景気を必要以上に悪化させかねないとの懸念が市場で広がっている。4日にはパウエルFRB議長が0.75%の大幅利上げを「真剣に検討していない」と発言したことでいったん安心感が広がり、同日のダウ平均は932ドルの大幅高で引けた。ただ、急速な引き締めへの警戒感はすぐに再燃し、5日にダウ平均は1063ドルの急反落を見せた。6日も下げ幅が一時500ドルを超え、不安定な値動きが続いた。
 
市場では11日に発表される4月の米消費者物価指数(CPI)で物価動向を見極めたい投資家も多い。
雇用統計では失業率が3.6%と前月から横ばいとなり、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の50年ぶりの低水準にほぼ並んだ。平均時給上昇率は前年同月比5.5%と高い伸びが続いた。市場では「FRBのタカ派姿勢の継続を裏付ける内容だった」との声が聞かれた。
 
米長期金利が一時3.13%と、2018年11月以来の高さに上昇したのも相場の重荷だった。長期金利は株式市場の引け後に3.14%に上昇する場面があった。
 
インフレが消費を冷やすとの見方から消費関連株の売りが目立ち、小売りのウォルマートやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスが下落した。スポーツ用品のナイキは3%安。同業のアンダーアーマーが6日発表した決算で最終赤字に陥り、急落したのに連れ安した面もあった。長期金利上昇が嫌気され、顧客情報管理のセールスフォースなど高PER(株価収益率)のハイテク株も安い。
 
半面、安定成長が見込める銘柄やディフェンシブ株の一角は買いが優勢となり、スマートフォンのアップルは反発した。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も高い。原油高を受けて石油のシェブロンは3%高で終えた。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比173.029ポイント(1.4%)安の1万2144.662で終えた。連日で年初来安値を更新した。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイトのメタプラットフォームズ、半導体のエヌビディアなど主力株が下げた。
 
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
32,899.37 -98.60
S&P500種
4,123.34-23.53
ナスダック
12,144.662-173.029
FTウィルシャー5000
41,829.12-319.17
NY金(ドル/トロイオンス)
1,875.70+6.905日 終値
NY原油(ドル/バレル)
110.61+2.35
円・ドル
130.58 – 130.60+0.48
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比150円高の2万6885円で引け、6日の大取終値を225円下回った。
引けにかけて米株が下げ幅を縮めるにつれて日経平均先物は買われた。
朝方に下げる場面もあった。6日発表の4月の米雇用統計で賃金が上昇し、インフレ圧力の高まりを警戒する売りが出た。
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

6日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日に比べ115.33ポイント(1.54%)安の7387.94で引けた。英経済の減速懸念が強まる中でも、高インフレ抑制のためイングランド銀行(英中央銀行)は金融引き締めを継続するとの見方が投資家心理の重荷となり、幅広い銘柄に売りが出た。FTSEでは指数構成銘柄の約9割が下落。さえない決算を発表した航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が8.3%安と下落率トップ。原油高を受け、石油大手BP(1.9%高)や同シェル(0.3%高)は買われた。
 
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

 
6日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落した。前日に比べ228.23ポイント(1.64%)安の1万3674.29で終えた。高インフレ下での米金融引き締め加速や、中国で続く厳格な新型コロナウイルス感染拡大の規制などから、世界的に景気が減速するとの不安が強まり、幅広い銘柄に売りが出た。
 

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は1.73%安だった。
前日に米国株が急落したのを受けてリスク回避の売りが強まった。

 

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