24日のNYダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発し、前日比92ドル07セント(0.3%)高の3万3223ドル83セントで終えた。
ロシア軍が24日、ウクライナへの本格侵攻を開始し、各地で交戦や爆撃が発生。先進7カ国(G7)首脳は侵攻を非難し、協調してロシアに厳しい経済・金融制裁を追加で科すと表明した。
アジアや欧州株の大幅安につられる形で、米国株も取引開始直後から急落。ダウ平均の下げ幅は一時、約860ドルに達した。ただ、その後はハイテク株が先行する形で買い戻しが入り、終盤には主要株価指数はいずれもプラス圏に浮上した。
バイデン米大統領は24日、「ロシアに対して追加の強力な制裁と新たな輸出制限を実施する」と述べた。欧米がロシアへの制裁を強めれば、供給網の混乱や資源・穀物などの価格高騰でインフレが加速し、世界景気を冷やすと警戒感が強まった。
ダウ平均は急落して始まったが、午後に下げ幅を縮める展開だった。年初から下落基調にあったハイテク株に押し目買いが入り、相場を押し上げた。「業績が世界景気の影響を受けにくいハイテク株に資金を退避させる動きが出た」という。「噂で売って事実で買う、という株式相場の典型的な動き」との指摘もあった。
ロシアのサイバー攻撃への警戒感から、セキュリティー対策の需要が高まるとの見方からソフトウエア株が買われた面もあった。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが7%高、ソフトウエアのマイクロソフトが5%上げた。この2銘柄だけでダウ平均を180ドルあまり押し上げた。
半面、景気敏感株は売りが目立ち、JPモルガン・チェースなど金融株が下げた。化学のダウや建機のキャタピラーも安い。原油先物相場の上昇で上げてきたシェブロンなど石油株は利益確定売りに押された。
ナスダック総合株価指数も6営業日ぶりに反発し、前日比436.098ポイント(3.3%)高の1万3473.585で終えた。グーグルの親会社アルファベットやネット通販のアマゾン・ドット・コム、電気自動車のテスラなど主力株が大幅に上昇した。
サイバーセキュリティー株が買われ、クラウドストライク・ホールディングスとパロアルト・ネットワークスはともに13%高で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
33,223.83+92.07
S&P500種
4,288.70+63.20
ナスダック
13,473.585+436.098
FTウィルシャー5000
43,870.08+736.23
NY金(ドル/トロイオンス)
1,926.30+15.90
NY原油(ドル/バレル)
93.00+0.90
円・ドル
115.50 – 115.55+0.89
【シカゴ日本株先物概況】
24日のシカゴ日経平均先物は続落した。3月物は前日比70円安の2万6260円で引け、24日の大取終値を330円上回った。ロシアのウクライナ侵攻を受けリスク回避の売りが先行した。3月物は一時2万5545円まで下げた。売り一巡後はハイテク株主導で米株が反発に転じるにつれ、日経平均先物は下げ幅を縮めた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26260 ( +330 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26270 ( +340 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7207.01(-291.17)
24日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに大幅反落した。前日に比べ291.17ポイント(3.88%)安の7207.01で引けた。ロシアがウクライナに侵攻し、運用リスクを回避する動きが強まった。
個別では、ロシア事業の比率が大きい産金・産銀会社ポリメタル・インターナショナルが37.8%安と下落率トップ。ロシア鉄鋼大手エブラズ(30.4%安)や、この日発表の決算がさえなかった金融大手ロイズ・バンキング・グループ(10.8%安)も売り込まれた。
一方、金や原油の上昇を好感し、産金大手フレスニロ(4.0%高)や石油大手シェル(0.5%高)は買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14052.10(-579.26)
24日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に7日続落し、前日比579.26ポイント(3.96%)安の1万4052.10で終えた。ロシアがウクライナに侵攻し、投資家が運用リスクを回避する動きを強めた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6521.05(-259.62)
フランスCAC40種指数は3.83%安の6521.05だった。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、リスク回避姿勢が強まり急落した。
