今週の新興市場では、マザーズ指数が3週ぶりに上昇したが、週前半と半ば以降で様相は異なった。
週間の騰落率は、日経平均が-1.9%であったのに対して、マザーズ指数は+3.3%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。
週前半はウクライナ危機で「米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを見送るのでは」といった期待が高まり、特にこれまできつい調整を強いられてきた中小型グロース(成長)株が大きく買われた。
しかし、パウエルFRB議長が議会証言で金融引き締めを進める姿勢を示すとグロース株買いの勢いは鈍化。週末にはウクライナの原子力発電所が攻撃されたと伝わり、リスク回避目的の売りが広がった。
来週の新興市場では、不安定な相場展開が続くことも視野に入れて取り組みたい。
米金融引き締めの見送りとグロース株の復調に期待する声は根強く聞くが、先のパウエルFRB議長発言を受け、再び3月利上げ織り込みが0.25%を下回るような場面が到来するとは想定しにくい。原油などの商品市況はなお高騰中でインフレ懸念が拭いづらく、今週末の原発攻撃で改めて地政学リスクも意識されるだろう。
マザーズ主力のメルカリを見ると株価にトレンド転換の兆しは見出しにくく、信用買い残を膨らませつつ調整局面が続いている点に不安がある。
