NYダウ797ドル安と今年最大の下げ、原油価格の高騰を警戒

7日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前週末比797ドル42セント(2.4%)安の3万2817ドル38セントで終えた。下落幅、下落率ともに今年最大で、昨年3月以来1年ぶりの安値。ダウ平均は1月4日に付けた過去最高値からの下落率は10.8%となり「調整局面」入りの目安となる10%を超えた。
 
ナスダック総合株価指数も3日続落し、前週末比482.476ポイント(3.6%)安の1万2830.962で終えた。昨年11月19日に付けた過去最高値からの下落率は20.1%に達し、高値から20%超下げた場合に当てはまる「弱気相場」入りした。
 
ロシアとウクライナはこの日、停戦交渉の3回目の協議を行ったが、ロシア代表団は「交渉への期待は満たされなかった」と述べ、大きな進展はなかったもようだ。ロシア国防省はこれに先立ち、ウクライナの首都キエフなど4都市で「限定的停戦」に入り、民間人避難を行うと発表。ただ、現地では交戦が続いている。
 
ロシアからの原油、天然ガスの供給が滞るとの見方から、米指標油種のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物の4月物は6日の時間外取引で一時130.50ドルと14年ぶりの高値を付けた。ガソリン高などを通じ、インフレや消費減退につながるとの警戒感が強い。
 
世界経済の先行き不安が広がる中、投資家のリスク回避姿勢は依然として根強い。原油高を受け、米国ではガソリン価格も高騰しており、市場では原油高が個人消費の抑制や景気後退につながると懸念する声も出ている。
 
ロシアとウクライナは7日、3回目の停戦交渉をベラルーシで実施した。一時停戦は実現しなかったと伝わっており、先行きの不透明感が株価を押し下げた。
 
石油株と電力など公益事業株を除けば、ほぼ全面安の展開だった。金融株の下げが目立ち、バンク・オブ・アメリカとウェルズ・ファーゴは6%安で終えた。世界的な景気減速に加え、ロシア国債のデフォルト(債務不履行)が金融市場に及ぼす影響が警戒された。
 
金融株のほかにもウクライナ情勢が逆風となる銘柄が大幅安となった。ロシアの業務を停止すると5日に発表したクレジットカードのビザと同業のマスターカードは5%安で終えた。航空機燃料の高騰で空運株も軒並み2桁の下落となった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
32,817.38-797.42
S&P500種
4,201.09-127.78
ナスダック
12,830.962-482.476
FTウィルシャー5000
42,870.00-1,338.87
NY金(ドル/トロイオンス)
1,966.60+30.70
NY原油(ドル/バレル)
120.32+4.64
円・ドル
115.27 – 115.33+0.26

 


【シカゴ日本株先物概況】

7日のシカゴ日経平均先物は大幅に続落した。
3月物は前週末比840円安の2万5030円で引け、7日の大取終値を180円下回った。

原油価格の高騰による世界景気の悪化を警戒する売りが出た。ロシアとウクライナの3回目の停戦交渉で進展がなかったほか、議会超党派がロシア産原油・エネルギー製品の輸入禁止と、同国およびベラルーシとの通常の貿易関係を解消する内容を盛り込む法案で合意したとの報道で引けにかけて下げ幅を拡大した。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
25030 ( -180 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
25030 ( -180 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6959.48(-27.66)
7日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前週末に比べ27.66ポイント(0.40%)安の6959.48で引けた。指数構成銘柄の約7割が下落した。米欧がロシア産原油の輸入禁止を検討していると伝わり、インフレ加速の懸念から運用リスクを取りにくかった。インフレが個人消費を抑制するとの見方から、消費関連セクターに売りが出た。
 
個別では、保険大手プルーデンシャル(6.1%安)や金融大手ロイズ・バンキング・グループ(4.1%安)など金融・保険株が下げを主導した。原油高を好感し、石油大手シェル(8.1%高)や同BP(3.8%高)は買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12834.65(-259.89)
7日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前週末比259.89ポイント(1.98%)安の1万2834.65で終えた。米欧がロシア産原油の輸入を禁止する経済制裁を検討していると伝わり、原油先物相場が急上昇した。コスト高による企業業績への悪影響が懸念され、幅広い銘柄に売りが出た。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5982.27(-79.39)
フランスCAC40種指数は1.31%安の5982.27だった。
ウクライナ情勢の緊迫化を受けてリスク回避姿勢が一段と強まり、軒並み下落した。
 

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