8日午前の日経平均株価は続落し、前引けは前日比77円89銭安の2万5143円52銭だった。ウクライナ情勢の先行き不透明感が重荷となり、下げ幅は一時300円を超えた。ただ原油先物相場の上昇一服が支えとなって、次第に下げ渋った。
前日の欧州株がウクライナ情勢を懸念して全面安となったほか、米国株市場でもハイテク株を中心に売られ、主要株価指数が揃って大幅安となったことを受け、リスク回避目的の売りが先行した。景気敏感株の一角に売りが出て、日経平均は心理的な節目の2万5000円を割り込んで寄り付いた。
ただ、日経平均は前日までの直近2営業日で1350円あまりの下げをみせていたこともあって、売り一巡後はハイテクセクターなどに空売りの買い戻しが入り下げ渋る展開となった。日本時間8日のニューヨーク市場で原油先物相場が下落に転じると、景気下押し懸念が和らいで日経平均は上昇に転じる場面もあった。
一方、これまで上昇していた資源関連や非鉄関連株などは大きく利食われる銘柄が出ている。
ロシアとウクライナは7日に3回目の停戦交渉をベラルーシで実施したが、両者の主張の隔たりが大きく、特に進展はみられなかったことも投資家心理の重荷になった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆9386億円、売買高は8億6163万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1266と、全体の約6割を占めた。値上がりは812銘柄、変わらずは98銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は石油・石炭製品、鉱業、鉄鋼などが下落。上昇は電気機器、倉庫・運輸関連業、サービス業など。
個別では、売買代金トップのレーザーテックが朝安後にプラス圏に切り返したほか、東京エレクトロンも同様に高くなるなど半導体主力株が買い戻されている。ファナックやキーエンス、ソニーグループなども高い。カシオ、リコー、ベイカレント・コンサルティングも上昇した。低位株のホクシンや日本アジア投資が値を飛ばしている。また、メドピアも大幅高。
半面、日本郵船が利益確定売りに安く、INPEXやENEOS、出光興産など原油関連株への利益確定売りがきつい。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも軟調。日本製鉄やJFE、住友金属鉱山も値を下げた。日本コークス工業、大紀アルミニウム工業所などが大幅安。OATアグリオも大きく利食われた。
東証2部株価指数は前日比30.96ポイント安の6910.57ポイントと3日続落した。
出来高は5611万株。値上がり銘柄数は127、値下がり銘柄数は258となった。
個別では、JESCOホールディングス、クシム、プレミアムウォーターホールディングス、アップルインターナショナル、ユタカフーズなど45銘柄が昨年来安値を更新。東邦金属、FRACTALE、アマテイ、技研ホールディングス、伊勢化学工業が売られた。
一方、東京ラヂエーター製造がストップ高。セブン工業、東京ボード工業、日本ハウズイング、ユーピーアール、Abalanceはが買われた。
