マザース市場展望

今週の新興市場では、マザーズ指数が週間ベースで大幅反落し、700ポイントを大きく割り込んで取引を終えた。商品市況の高騰でインフレ懸念が強まり、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め観測もあって米長期金利が上昇。マザーズ銘柄などのグロース(成長)株は原油価格の上昇一服とともに買われる場面もあったが、続かなかった。ウクライナ情勢の混迷も投資家心理の低迷につながり、週末にはメルカリの急落がマザーズ指数を大きく押し下げた。
 
マザーズ指数は9日まで6日続落。1日までの反騰で調整トレンドからの脱出期待が高まったものの、ウクライナ情勢の影響は大きく、投資マインドは一本調子では改善せず。
再度、下値を探る値動きとなってきている。調整の長期化で売り需要の消化が進む一方、反騰を先回りした買いにもリスクがあり、売買代金は減少。新興市場上場銘柄への投資家の関心低下が懸念される情勢にもなってきている。
 
なお、週間の騰落率は、日経平均が-3.2%であったのに対して、マザーズ指数は-7.5%、日経ジャスダック平均は-1.9%だった。
 
来週の新興市場では、なお厳しい環境が続くとみておきたい。金融市場全体としてウクライナ危機とインフレの長期化を想定し始め、各国金融政策についても難しい局面ながら引き締めは避けられずといった見方が広がっている。3月15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と前後して短期的なリバーサル(株価の反転)の動きが出てくる可能性もあるが、中長期的な基調の変化は期待しづらく、グロース色の強いマザーズ銘柄の本格的な復調は遠そうだ。マザーズ銘柄を頻繁に売買するタイプの個人投資家の損益悪化も気掛かりだ。
 

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