15日のNYダウ工業株30種平均は大幅に続伸し、前日比599ドル10セント(1.8%)高の3万3544ドル34セントで終えた。
中国では、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に一部地域でロックダウン(都市封鎖)が導入され、原油需要が減退するとの見方が台頭した。ウクライナ情勢を受けて高騰した原油相場が1バレル=100ドルを割り込んだ。
原油急落を眺めて、米連邦準備制度理事会(FRB)の急速なペースの利上げや個人消費への悪影響をめぐる警戒感が緩和した。ハイテク株を中心に買いが入る中、ダウは朝方から堅調に推移し、取引終盤に一段高となった。
朝方発表された2月の卸売物価指数(PPI)は前年比10%上昇だったが、前月比では0.8%上昇と、市場予想(0.9%上昇)を下回った。この日から2日間の日程で始まった連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や、パウエルFRB議長の発言に注目が集まっている
消費関連株が買われ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーが4%高、ホームセンターのホーム・デポが3%高とダウ平均の上昇をけん引した。原油高による原材料費の上昇が警戒されていた日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も大幅高。前日まで長期金利の上昇を警戒して売られていたハイテク株が買い直され、ソフトウエアのマイクロソフトが4%高、スマートフォンのアップルが3%高で終えた。
米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を16日に発表する。2018年12月以来の利上げ決定が確実視されている。市場では「FRBのタカ派姿勢を織り込んで相場は下げてきたため、持ち高調整の買いが入った」との声が聞かれた。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比367.401ポイント(2.9%)高の1万2948.621で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや電気自動車のテスラなど主力株が総じて上げた。エヌビディアが8%高、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が7%上げるなど半導体株の上げも目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
33,544.34+599.10
S&P500種
4,262.45+89.34
ナスダック
12,948.621+367.401
FTウィルシャー5000
43,438.95+879.35
NY金(ドル/トロイオンス)
1,929.70-31.10
NY原油(ドル/バレル)
95.56-0.88
円・ドル
118.31 – 118.33+0.34
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前日比335円高の2万5375円で引け、15日の大取終値を245円上回った。
原油価格が高値から反落したため回復への安心感が広がり、終日堅調に推移。経済の正常化を期待した買いもけん引し、引けにかけて上げ幅を拡大した。
シカゴ日経平均先物は、原油安を手掛かりにインフレ懸念が薄れ米株とともに買い進まれた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
25375 ( +245 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
25435 ( +305 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7175.70(-17.77)
15日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日に比べ17.77ポイント(0.25%)安の7175.70で引けた。中国での新型コロナウイルスの感染急増で、需要が減退するとの見方から鉱業関連株への売りが目立った。
個別銘柄では、ロシア企業の産金・産銀会社ポリメタル・インターナショナルが23%の急落。スイス資源大手グレンコア(4.4%安)など資源株が緩んだ。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13917.27(-11.84)
15日のドイツ株価指数(DAX)は小幅ながら3営業日ぶりに反落し、前日比11.84ポイント(0.09%)安の1万3917.27で終えた。前日の大幅高を受け、目先の利益を確定する目的の売りが優勢だった。独自動車大手メルセデス・ベンツが2.3%高と堅調だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6355.00(-14.94)
フランスCAC40種指数は0.23%安となった。
中国の一部地域で新型コロナウイルスの感染が拡大し、都市封鎖(ロックダウン)が導入されたことが投資家心理を圧迫した。また、3月の独ZEW景気期待指数が過去最大の下落幅となるなどし、ウクライナ情勢の欧州経済への悪影響にも引き続き懸念が広がっている。
フランス複合企業LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は1.5%安とさえなかった。
