17日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比417ドル66セント(1.2%)高の3万4480ドル76セントで終えた。
朝方は前日までの相場高を受けた利益確定の動きが先行し、軟調に推移した。ただ、売り一巡後は原油高を支援材料にエネルギー株主導でプラス圏に浮上した。
ロシアがドル建て国債の利払いを実施し、デフォルト(債務不履行)を当面回避したもようだとの報道も地合いを強める中、徐々に幅広い銘柄に買いが入ってダウは堅調な展開に転じ、取引終盤に一段高となった。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、金融政策をめぐる不透明感が薄れたことも投資家心理の好転に寄与。朝方発表された2月の住宅着工件数は前月比6.8%増の176万9000戸と、市場予想(ロイター通信調べ)の169万戸を大きく上回ったことも相場の下支え要因だった。
市場では「(金融引き締めに前向きな)タカ派的内容だったが、今後の一定の道筋が示された」との声があった。ダウ平均は前週まで5週連続で下落しており、重要イベントの通過でこれまで株式の持ち高を減らしていた一部投資家から持ち高調整の買いが入ったとの見方もあった。
ダウ平均は朝方に下げる場面もあった。16日にウクライナとロシアの停戦交渉が進展していると伝わったが、17日はロシア政府の報道官が「停戦合意に達するには程遠い」と述べたと報じられた。ウクライナ情勢を巡る不透明感は根強く、相場の重荷となる面があった。
景気敏感や消費関連株の買いが目立った。化学のダウが5%高となり、建機のキャタピラーやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、スポーツ用品のナイキも高い。原油高を受け、石油のシェブロンも買われた。ハイテク株も買われ、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムとスマートフォンのアップルが上昇した。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比178.228ポイント(1.3%)高の1万3614.781で終えた。電気自動車のテスラやネット通販のアマゾン・ドット・コム、動画配信のネットフリックスの上げが目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,480.76+417.66
S&P500種
4,411.67+53.81
ナスダック
13,614.781+178.228
FTウィルシャー5000
45,073.26+592.13
NY金(ドル/トロイオンス)
1,943.20+34.00
NY原油(ドル/バレル)
103.76+0.78
円・ドル
118.55 – 118.57-0.11
【シカゴ日本株先物概況】
17日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前日比350円高の2万6475円で引け、17日の大取終値を35円上回った。
米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し米金融政策の不透明感が後退したことも安心感につながった。ロシアの債務不履行(デフォルト)への懸念が薄れたことから、日経平均先物は米株とともに買われた。朝方の市場ではロシアのウクライナ侵攻の長期化を警戒する売りが先行した。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26475 ( +35 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26535 ( +95 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7385.34(+93.66)
17日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ93.66ポイント(1.28%)高の7385.34で引けた。英イングランド銀行(中央銀行)が17日、利上げの決定を発表した。ただ、さらなる金融引き締めについては前回から勢いが後退したと受けとめられ、株式を買い直す動きが出た。
個別銘柄を見ると、英・豪系資源大手リオ・ティントが3.3%高と堅調。英石油大手BPが2.1%高と締まった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14388.06(-52.68)
17日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比52.68ポイント(0.36%)安の1万4388.06で終えた。前日の大幅高で利益を確定する目的の売りが優勢だった。ウクライナとロシアとの停戦交渉の進展期待が後退したのも売りにつながった。独自動車大手BMWが2.2%安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6612.52(+23.88)
フランスCAC40種指数は0.36%高となった。
CACでは仏石油大手トタルエナジーズが1.0%高と買われた。
