ダウ続伸274ドル高、FOMC後の買い続く

 
18日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比274ドル17セント(0.8%)高の3万4754ドル93セントと2月16日以来、1カ月ぶりの高値で終えた。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)は16日のFOMCで約3年ぶりの利上げに踏み切り、高インフレの抑制を目指す姿勢を鮮明にした。パウエルFRB議長は会見で、景気後退懸念を一蹴し、米経済の先行きに自信を示した。18日の株式市場では、FOMC後の株買いの流れが継続。インフレ圧力を強めていた原油価格の上昇が一服していることも投資家心理の改善につながり、相場を押し上げた。
ダウ平均は週間では6週ぶりに上昇した。上昇率は5.5%と2020年11月2~6日(6.9%)以来の大きさだった。
 
ウォラーFRB理事が18日に米CNBCのインタビューで、ウクライナ情勢に配慮しているが「データは基本的に0.5%の利上げを求めている」と述べた。FRBが金融政策の正常化を進めても「景気後退を引き起こすという点では心配がいらない」とも話した。ブラード・セントルイス連銀総裁も18日に公表した声明で同様の見解を示した。FRB高官はインフレ抑制を積極的に進める姿勢を明確にしながらも、良好な米経済環境が続くとみているとの見方から投資家心理が上向いた。
 
18日は株式関連の金融派生商品(デリバティブ)の清算が重なる「クアドルプル・ウィッチング」の日に当たる。株式指数先物などの建玉(未決済残高)整理が相場の動きに影響した面もあったようだ。
 
ウクライナ情勢を巡る警戒感から売りが先行し、ダウ平均は朝方に一時200ドル下げた。ロシア軍が18日、ポーランド国境に近いウクライナ西部のリビウ周辺をミサイルで攻撃したことが明らかになり、ロシア軍の戦線が広がる可能性が意識された。
 
主力ハイテク株に引き続き買いが目立った。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが4%上昇。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトも買われた。クレジットカードのビザと同業のアメリカン・エキスプレスも高い。デルタ航空と大型の受注交渉が進んでいると報じられた航空機のボーイングも上げた。
 
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比279.056ポイント(2.0%)高の1万3893.837と、2月16日以来の高値で終えた。週間の上昇率は8.2%と20年11月2~6日(9.0%)以来の大きさ。交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)と電気自動車(EV)のテスラがそれぞれ4%上昇した。エヌビディアは7%高となり、半導体株が総じて高い。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,754.93+274.17
S&P500種
4,463.12+51.45
ナスダック
13,893.837+279.056
FTウィルシャー5000
45,627.59+554.33
NY金(ドル/トロイオンス)
1,929.30-13.90
NY原油(ドル/バレル)
105.10+2.12
円・ドル
119.12 – 119.14+0.46

 


【シカゴ日本株先物概況】

18日のシカゴ日経平均先物は続伸した。
6月物は前日比565円高の2万7040円で引け、18日の大取終値を310円上回った。
米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事の発言を手掛かりに米利上げ加速でも、景気後退への懸念が薄れた。
ウクライナ戦争を巡る米中首脳会談への期待から下げ止まった。さらに、金利の低下でハイテク株が引き続き強く相場をけん引した。また、個別銘柄と指数を対象としたオプションが期限を迎え、トリプルウィッチングに絡んだ買いも見られ引けにかけて上げ幅を拡大した。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27040 ( +310 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27085 ( +355 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

18日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3日続伸した。前日に比べ19.39ポイント(0.26%)高の7404.73で引けた。英イングランド銀行(中央銀行)が景気悪化への懸念を強めるなか、今後の利上げペースを鈍化させるとの観測が投資家心理を支えた。消費財や資源株など景気感応度の高いセクターが買われた。
FTSEは指数構成銘柄の7割近くが上昇。英オンライン食品販売オカド・グループが7.6%の大幅高。英住宅大手バークリー・グループ(3.1%高)など不動産株も軒並み上昇した。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

18日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に反発し、前日比25.03ポイント(0.17%)高の1万4413.09で終えた。新型コロナウイルスの行動規制が20日から大幅に緩和されるのを好感した買いが入った。一方、ウクライナ情勢の不透明感は重荷だった。独スポーツ用品大手プーマが2.4%高と堅調だった。
 
 

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.12%高となった。ロシアとウクライナの停戦交渉の進展に対する期待が継続したほか、ロシアのデフォルト(債務不履行)が当面回避されたことが心理的な支援材料となった。個別では、仏ソフト開発大手ダッソー・システムズが2.7%高と締まった。

 

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