22日午前の日経平均株価は続伸し、前引けは前週末比415円45銭(1.55%)高の2万7242円88銭と心理的な節目の2万7000円を上回って終えた。円相場が対ドルで6年ぶりの水準まで下落するなか、輸出関連株を中心に買いが入った。
きょう前場は、主力株を中心にリスクを取る動きが一段と強まり、日経平均は大幅続伸となった。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株指数が揃って反落したものの、急速に進む為替の円安などを好感して東京市場では戻り足が加速した。日経平均は前週末までの5営業合計で1600円以上の上昇を示しており、目先スピード警戒感からの利益確定売りでいったん伸び悩む場面もあったが、下値では押し目買いニーズが強く、前場後半に再び上げ幅を広げた。
ただ、先物主導の上昇であり、日経平均寄与度の高い銘柄に買いが偏っているきらいもある。個別株の値上がり数と値下がり数はいずれも1000銘柄あまりで拮抗している。
外国為替市場で一時1ドル=120円台と2016年2月以来6年1カ月ぶりの円安・ドル高水準となり、輸出採算が改善するとの見方から自動車関連株や機械株など輸出関連株に買いが入った。主要な輸出企業は今期の想定為替レートを1ドル=110円程度としているケースが多く、利益の押し上げ期待が高まった。
日経平均への寄与度が大きい値がさのハイテク株が上昇したのも指数を押し上げた。ハイテク株比率の高い米ナスダック総合株価指数は18~21日の2営業日で差し引き1.6%上昇しており、東京株式市場でも東エレクやアドテストに物色が向かった。
市場では「日経平均が節目の2万7000円を明確に上回ってきたことで、ショートポジション(売り持ち高)のたまっていた海外勢が先物の買い戻しを進めている」との見方もあった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆6708億円、売買高は7億6443万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1049、値下がりは1047と拮抗した。変わらずは83銘柄だった。
個別では、米長期金利の上昇を受け、東京海上や第一生命HDだった三菱UFJフィナンシャル・グループが大商いで値を飛ばしたほか、東京エレクトロン、任天堂などの値がさ株も上昇した。三菱商事が上値を追ったほか、INPEXや出光興産などの原油関連株の上げ足が目立った。アグレ都市デザインは値上がり率トップ。アダストリア、東洋エンジニアリングなども大幅高。
半面、売買代金断トツとなった日本郵船は売りに押され、レーザーテックも冴えない。レノバも軟調。ギフティが急落、IDOMも大幅安となった。日清粉Gやキッコマン、東宝が安い。
東証2部株価指数は前週末比33.11ポイント高の7215.59ポイントと9日続伸した。値上がり銘柄数は221、値下がり銘柄数は166となった。
個別ではクシムがストップ高。セレコーポレーションは昨年来高値を更新。FRACTALE、アスモ、千代田化工建設、リミックスポイント、湖北工業が買われた。
一方、石井表記、ナガホリ、オプティマスグループ、東京ソワール、スーパーバッグが売られた。
