上値の重い展開か

 
30日の日経平均株価は大幅反落し、2万8027円(前日比225円安)。ウクライナ情勢の過度な警戒感が後退し、29日の欧米株式は上昇したが、3月末配当の権利落ちの影響(マイナス240円程度)で小安く始まった。すかさず小幅高に転じる場面もあったが、株価指数先物売りを交えて軟化。円高・ドル安歩調が重しとなり、売り圧力が続き、下げ幅は一時500円を超えた。
一巡後は引けにかけて下げ渋ったが、配当落ち分に近い下げとなった。市場では「短期で急騰してきただけに冷却期間が必要」との声が聞かれた。
 
 
あす31日の日経平均株価は、上値の重い展開か。
30日に3月末配当の権利落ちを終え、配当再投資に絡む先物買いもこの日でほぼ終了。3月期末特有の需給要因が一巡し、買いニーズが減退するとみられる。実質新年度入りで、新規マネーの流入が期待されるが、機関投資家などの益出し売りが出やすいとの見方もあり、先行きの需給は見通しづらいだろう。
 
一方、ロシアとウクライナは29日、停戦交渉を行い、両国の交渉進展が期待された。ウクライナ側はNATO(北大西洋条約機構)への加盟に代わる関係国との新たな安全保障の枠組みを提案し、ロシア側は首都キエフ周辺などで軍事作戦を大幅に縮小すると述べた。ただし、ロシアのプーチン大統領にとって承服し難い内容が含まれており、先行き楽観できないとの読みは根強く、不透明感を引きずったままと言えそうだ。
 
きょうは終値(2万8027円)で2万8000円を上回ったが、この近辺には26週線(2万8032円、30日時点、以下同じ)、5日線(2万8096円)などテクニカルの節目も存在する。2万8000円近辺で値を固めることができるかが、週後半の焦点となる。
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(30日現在)
 
29145.86  ボリンジャー:+1σ(26週)
29050.43  ボリンジャー:+2σ(13週)
28875.30  均衡表雲上限(週足)
28688.54  ボリンジャー:+2σ(25日)
28261.11  200日移動平均線
28252.42  新値三本足陽転値
28130.21  ボリンジャー:+1σ(13週)
28087.33  6日移動平均線
28032.74  26週移動平均線
 
28027.25  ★日経平均株価30日終値
 
27716.34  均衡表雲上限(日足)
27593.31  ボリンジャー:+1σ(25日)
27488.17  75日移動平均線
27321.34  均衡表基準線(週足)
27291.14  均衡表雲下限(日足)
27245.85  均衡表転換線(日足)
27209.99  13週移動平均線
26919.62  ボリンジャー:-1σ(26週)
26872.13  均衡表雲下限(週足)
26510.28  均衡表転換線(週足)
26510.28  均衡表基準線(日足)
26498.08  25日移動平均線
 
下げ幅は225.17円にとどまり、配当落ち(市場推計235~240円)による下落分を埋めきって実質的には小幅プラス。ローソク足は陰線を引いたが、長い下ヒゲを出して下値での買い需要を再確認。一目均衡表では本日安値が雲上限の19.93円上で下げ止まり、三役好転下の買い手優勢の形状をキープした。
反面、25日移動平均線との上方乖離率は5.77%(昨日6.80%)と5%超えで高止まりし、過熱感を残した格好。3月25日以降、緩やかに下降する25日線が株価の頭を押さえ、本日も短い上ヒゲが200日線にかかっており、200日線前後の抵抗帯抜けの可否が今後の方向性を判断するポイントとなろう。
 
 

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