新興市場展望

今週の新興市場では、マザーズ指数が5週連続、かつ大幅な下落を強いられた。
1月27日には終値ベースでコロナショック直後の2020年4月22日以来の安値を付け、下落に歯止めのかかる兆しは見られない。
 
FOMC後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を受け、米金融引き締めへの懸念が一段と強まった格好だ。新興株は金利上昇の逆風に個人投資家の損失覚悟の売りも相まって大きく値を下げた。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.9%であったのに対して、マザーズ指数は-10.1%、日経ジャスダック平均は-2.6%だった。
 
来週の新興市場では、繰り返しとなるが不安定な相場展開が続くとみておいた方がよいだろう。今週末1月28日は日経平均が500円超上昇したが、マザーズ指数の反発は小幅なものにとどまった。
さすがに新興株を巡る環境の悪さが意識されつつあり、投資損益の悪化に伴う資金余力の低下もあって、買いが鈍ってきた印象だ。しかし、信用買い残の水準は全般になお高止まりしており、株式需給の面で最悪期を脱したとは言えない。世界的にレバレッジを拡大させてきた反動は大きいだろうと改めて強調しておきたい。
 
ここまで何度もセリング・クライマックスのような動きはあるものの、底打ちに至っていない。状況は一向に改善せず、下値買いでさらに傷が広がってしまっている。戻りのきっかけすら見当たらない環境で、好材料にも株価が反応しない悪環境の「崩壊商状」から脱せずにいる。
当面は外部環境の改善を待つ以外の打開策はなく、主力株の多くもチャートが崩壊。反転すれば速いのが新興市場の特徴ではあるものの、大底はまだ確認できておらず、参戦のタイミングには注意が必要。ここまでの調整幅は非常に大きく、参戦は底打ち・反転後でも間に合うだろう。
 
 

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