ダウ続伸406ドル高 ハイテク株に買い

 
1月31日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比406ドル39セント(1.2%)高の3万5131ドル86セントで終えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めのペースをめぐって投資家の間で警戒感がくすぶり、米株価は不安定な値動きが続いている。今月に入り大きく値を削る日が続いたが、31日は前営業日に続き、買いが優勢となった。
 
JPモルガンによると、2022年に入ってからの株価下落に伴い1月末の年金基金の(資産配分の)リバランスは大幅な株買いになるという。また、四半期決算の発表を終えたハイテク企業を中心に自社株買いの再開の動きが出ているとの見方があった。こうした買いでこれまで売りの持ち高に傾けていたヘッジファンドなどが買い戻しに迫られ、引けにかけては主要株価指数は一段と強含む展開だった。
 
顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやスマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフトが上昇した。米長期金利が前週末の終値(1.77%)近辺で推移し割高感を意識した売りが出にくくなるなか、押し目買いを入れる動きが目立った。航空機のボーイングは5%上昇した。カタール航空から大型受注を獲得したと伝わったのを手掛かりに買われた。
 
FRBの金融引き締めによる景気減速への懸念は根強く、景気敏感株の一角は売られた。化学のダウは売られ、クレジットカードのビザも安い。
 
米企業の昨年10~12月期決算がおおむね好内容となっていることも、相場を支援。主要500社のうち約3分の1が決算発表を終え、このうち約8割が市場予想を上回った。
 
ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比469.310ポイント(3.4%)高の1万4239.883で終えた。一日の上昇率としては、21年3月9日以来の大きさだった。アナリストが投資判断を引き上げた動画配信のネットフリックスと電気自動車のテスラはともに11%上昇した。エヌビディアなど半導体株も総じて買われた。
 
1月のナスダック指数は1405ポイント(9.0%)下げた。月間の下落率としては新型コロナウイルスの感染拡大直後の20年3月(10.1%)以来の大きさだった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,131.86+406.39
S&P500種
4,515.55+83.70
ナスダック
14,239.883+469.310
FTウィルシャー5000
46,001.74+951.48
NY金(ドル/トロイオンス)
1,786.60-8.40
NY原油(ドル/バレル)
88.15+1.33
円・ドル
115.09 – 115.18-0.33

 


【シカゴ日本株先物概況】

1月31日のシカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前週末比640円高の2万7310円で引け、31日の大取終値を260円上回った。31日の米株式相場が上昇し、日経平均先物にも買いが波及した。米長期金利の上昇一服を背景に、ハイテクやエネルギー関連株の上昇がけん引したほか、ボーイングの上昇も手伝い、終日堅調に推移した。
 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27310 ( +260 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27330 ( +280 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7464.37(-1.70)
1月31日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続落した。前週末に比べ1.70ポイント(0.02%)安の7464.37で引けた。
ウクライナ情勢を巡る不透明感が引き続き投資家心理の重荷となった。もっとも、今週3日にはイングランド銀行(英中央銀行)による金融政策の結果発表を控え、様子見姿勢の投資家も多かった。市場関係者は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ見通しには不確実性がある」との見方を示した。
鉱業や医薬品株の下落が指数の重荷だった。半面、各種金融や商業・専門サービス関連株は買われた。
個別銘柄を見ると、資源大手リオ・ティントが3.7%安、鉱業大手アングロ・アメリカンは2.8%安と軟調だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15471.20(+152.25)
1月31日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前週末比152.25ポイント(0.99%)高の1万5471.20で終えた。テクノロジーやエネルギー株に値ごろ感からの買いが入った。だが、米国の積極的な金融引き締めへの警戒感から上値は重かった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6999.20(+33.32)
フランスの株価指数CAC40は0.48%高と上昇した。
 
 

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