3日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比518ドル17セント(1.5%)安の3万5111ドル16セントで終えた。
決算と併せて発表した業績見通しが市場予想を下回る銘柄が売られ、相場を押し下げた。特に2日夕に決算を発表した交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)が急落し、ハイテク株に売りが広がった。
前日夕方発表したメタの2021年10~12月期決算は、広告収入の不調で10四半期ぶりの減益だった。22年1~3月期も競争激化などの逆風が吹くとみられており、成長の鈍化が鮮明となった。メタの株価は前日の時間外取引で急落。3日は26.4%安の大幅安で取引を終えた。
ハイテク株の売りに波及し、ダウ平均の構成銘柄では顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが5%安、ソフトウエアのマイクロソフトは4%下落した。
「ハイテク株は先週来から急速に持ち直していたため、利益確定の売りが膨らみやすい」との指摘があった。米長期金利が上昇し、高PER(株価収益率)銘柄には相対的な割高感を意識した売りも出やすかった。
ハイテク以外では機械のハネウェル・インターナショナルが8%近く下落した。3日に決算と併せて発表した22年12月期通期見通しが市場予想を下回った。22年12月期通期の1株利益見通しが市場予想以下だった製薬のメルクは4%下げた。
一方、医療保険のユナイテッドヘルス・グループや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株は総じて高い。
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、前日比538.729ポイント(3.7%)安の1万3878.818で終えた。エヌビディアなど半導体銘柄が売られ、動画配信サービスのネットフリックスの下げも目立った。取引終了後に決算発表を控えていたネット通販のアマゾン・ドット・コムは、決算を警戒した売りで8%安で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,111.16-518.17
S&P500種
4,477.44-111.94
ナスダック
13,878.818-538.729
FTウィルシャー5000
45,543.74-1,128.53
NY金(ドル/トロイオンス)
1,810.30+8.80
NY原油(ドル/バレル)
90.17+1.91
円・ドル
114.94 – 114.99+0.36
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前日比505円安の2万6945円で引け、3日の大取終値を255円下回った。
フェイスブックを運営するメタ(FB)の低調な決算に加えて、オミクロンの影響を受けた1月雇用統計の悪化を警戒し、寄り付き後、下落。主要企業決算の強弱混合の結果や金利の上昇を受け投資家心理がさらに悪化し、引けにかけて下げ幅を拡大した。
ハイテク銘柄主導で米株が反落し、日経平均先物も売られた。市場関係者は4日発表の1月の米雇用統計に注目している。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26945 ( -255 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26960 ( -240 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7528.84(-54.16)
3日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日に比べ54.16ポイント(0.71%)安の7528.84で引けた。
欧州中央銀行(ECB)や英イングランド銀行(BOE)がタカ派姿勢を強めたことが株式相場の逆風となった。BOEは利上げに踏み切り、ECBも強気のトーンをにじませた。
今後も金融引き締めが継続することを警戒した売りが優勢だった。医薬品株や資本財株が売られた。
個別銘柄を見ると、通信大手BTが4.8%安、製薬大手アストラゼネカが2.6%安とさえなかった。一方、DAXではドイツ銀行が5.3%高と締まった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15368.47(-245.30)
3日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比245.30ポイント(1.57%)安の1万5368.47で終えた。欧州中央銀行(ECB)の年内利上げ観測が高まるなか、欧州国債利回りが急上昇し、金利上昇を懸念した売りが優勢だった。米株式相場が下落して始まると投資家心理がさらに冷え込み一段安となった。素材やヘルスケア、工業株に売りが出た。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7005.63(-109.64)
フランスCAC40種指数は1.57%安となった。
