ダウ1ドル高と横ばい 金利先高観が上値抑える

7日のNYダウ工業株30種平均はほぼ横ばいとなり、前週末比1ドル39セント高の3万5091ドル13セントで終えた。
米国で新型コロナウイルスの新規感染者数が大きく減少しており、経済活動の正常化の恩恵を受けやすい銘柄を中心に買いが入った。ただ、インフレ加速や米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めへの警戒感はくすぶり、積極的に上値を追う動きは乏しかった。
 
前週末の雇用統計は市場予想以上に好調な内容となった。この日は主要経済指標の発表もなく、注目度が非常に高い企業決算も明らかにされない中、ダウは朝方から前週末終値を挟んで方向感に欠ける展開が続いた。
取引後半にはダウは一時200ドル超上伸する場面もあったものの、今週はインフレ動向を判断する上で重要な消費者物価指数(CPI)の発表を10日に控え、警戒感が強い中、引け際にかけて急速に値を消した。
 
経済再開が追い風になるとの期待から、旅行・レジャー関連株が買われた。航空機のボーイングが3%高となり、娯楽・映画のウォルト・ディズニーとクレジットカードのアメリカン・エキスプレスも上昇した。建機のキャタピラーや機械のハネウェル・インターナショナルなど他の景気敏感株にも買いが広がった。ダウ平均の構成銘柄以外では空運やクルーズ船、カジノ株の上げが目立った。
 
半面、長期金利の先高懸念が上値を抑えた。長期金利は7日、4日に付けた2年ぶりの高水準である1.93%に一時上昇し、その後も1.90%台で推移した。長期金利上昇で相対的な割高感を意識した売りが高PER(株価収益率)のハイテク株に出た。ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが下落。製薬のメルクと日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など、ディフェンシブ株の一角も売られた。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前週末比82.339ポイント(0.6%)安の1万4015.668で終えた。ネット検索のアルファベットと交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)が大幅安となった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,091.13+1.39
S&P500種
4,483.87-16.66
ナスダック
14,015.668-82.339
FTウィルシャー5000
45,728.04-123.42
NY金(ドル/トロイオンス)
1,821.80+14.00
NY原油(ドル/バレル)
91.63-0.68
円・ドル
115.09 – 115.11-0.16
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

7日のシカゴ日経平均先物は反落した。3月物は前週末比90円安の2万7200円で引け、7日の大取終値を20円下回った。
先週末の米1月雇用統計で非農業部門雇用者数と平均賃金が市場予想を上回る強い結果なったことで、3月FOMCでの大幅利上げへの警戒感が再び高まった。1
米利上げペース加速への警戒感が根強く、上値を抑えた。引けにかけてナスダック総合株価指数が反落した場面でシカゴ日経平均先物も売られた。
 

 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27200 ( -20 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27215 ( -5 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7573.47(+57.07)
7日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前週末に比べ57.07ポイント(0.76%)高の7573.47で引けた。欧米の金融政策の正常化が進むとの見方から、金利先高観を背景に銀行株が買われ、指数を押し上げた。資源株や石油株にも買いが入った。
指数構成銘柄の6割以上が上昇した。商品価格の上昇で資源大手リオ・ティント(2.8%高)など資源関連株が買われたほか、金利上昇を好感して金融大手スタンダード・チャータード(2.4%高)など金融関連株も堅調だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15206.64(+107.08)
7日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反発し、前週末比107.08ポイント(0.71%)高の1万5206.64で終えた。中国政府による景気対策への期待から、中国経済と相対的に結びつきの強いドイツ株に資金が入った。消費財や工業、金融株が買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7009.25(+57.87)
フランスCAC40種指数は0.83%高の7009.258だった。
 

 

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