大幅反落、725円安 地政学リスク

14日午前の日経平均株価は大幅反落し、前引けは前営業日比725円74銭(2.62%)安の2万6970円34銭だった。
地政学リスクの高まりや米金融政策への懸念を背景に10~11日の米株式相場が大幅に調整しており、東京株式市場でも運用リスクを避ける動きが優勢だった。
 
米1月消費者物価指数(CPI)の上振れで米10年国債利回りが一時2%超えを実現。セントルイス連銀のブラード総裁のタカ派発言もあり、ハイテク・グロース(成長)株主導で下落。さらに、米政府が北京五輪中でもロシアのウクライナ侵攻の可能性を警告したことで地政学リスクも急速に高まり、売りに拍車がかかった。リスク回避の動きが強まるなか週明けの日経平均は390円安でスタートすると、売りが膨らんだ。
 
日経平均は2万7000円の節目を下回ると下げ渋った。「ウクライナ問題はまだ見通せないが、米国の利上げについて市場は織り込みを進めてきた。企業収益などを踏まえると足元の日経平均の水準は割安感も意識されやすい」とみていた。
香港ハンセン指数も大幅安のなか、日経平均はそのまま本日の安値圏で前場を終えている。
 
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前引けの下落率は日銀が株価指数連動型上場投資信託(ETF)を買い入れる目安とされる2%を超えた。JPX日経インデックス400も大幅反落した。
 
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆6420億円、売買高は7億829万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1766と、全体の約8割を占めた。値上がりは348銘柄、変わらずは66銘柄だった。
 
 


セクターではゴム製品、精密機器、電気機器などが下落率上位に並んだ。一方、鉱業、石油・石炭製品、不動産業の3業種のみが上昇となった。東証1部の値下がり銘柄は全体の81%、対して値上がり銘柄は16%となっている。
 
個別では、ブリヂストンが大幅安。レーザーテック、ソフトバンクG、ソニーG、村田製、キーエンスなどのハイテク株のほか、ZHD、ソフトバンクグループ(SBG)、エムスリー、ベイカレント、Sansanなどのグロース株が総じて厳しい下げに見舞われている。東エレクは好決算を発表も、地合いに押されて下落。ラクスはグロース売りのなか減益決算が嫌気され20%安と急落。シスメックスも決算を受けて急落し、セレスは今期の減益見通しが失望感を誘い、ストップ安気配となっている。
 
一方、地政学リスクの高まりを受けた原油市況の上昇を支援要因にINPEXが大幅に上昇。出光興産が逆行高となった。業績予想を上方修正したコスモエネHDも大幅高。ほか、決算を受けてパンパシHD、ミルボン、イーレックスなどが大きく上昇している。
 
東証2部株価指数は前営業日比97.72ポイント安の7210.80ポイントと3日ぶり反落した。値上がり銘柄数は88、値下がり銘柄数は324となった。
 
個別ではクロスプラス、丸順、日創プロニティ、サイオス、京進など11銘柄が昨年来安値を更新。ヴィスコ・テクノロジーズ、IJTT、フライトホールディングス、ユーピーアール、東京ラヂエーター製造が売られた。
 
一方、松尾電機が一時ストップ高と値を飛ばした。岡本工作機械製作所、ソケッツ、阪神内燃機工業、テクノスマート、タクミナが買われた。

 

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