15日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比422ドル67セント（1.2%）高の3万4988ドル84セントで終えた。
ロシア政府は同日、西部と南部での軍事演習を終え、一部が撤退を始めると発表した。ウクライナ国境付近に集まっていた部隊の一部とみられている。ロシアのプーチン大統領とドイツのショルツ首相がモスクワで会談。プーチン氏は米欧と協議を継続する姿勢を示した。地政学リスクの後退で投資家心理が改善し、幅広い銘柄に押し目買いが入った。
ダウ平均は前日までの3営業日で1200ドルあまり下げていたこともあり、押し目買いが入った。
顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムと航空機のボーイングが4%上昇した。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスやスポーツ用品のナイキ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連の上げも目立った。スマートフォンのアップルは2%高。
ダウ平均の構成銘柄以外では旅行・レジャー株が買われ、空運のアメリカン航空グループは8%高、クルーズ船のカーニバルは7%高で終えた。地政学リスクが旅行需要を冷え込ませるとの懸念が薄れた。
15日朝方発表の1月の米卸売物価指数が前月比1.0%上昇と前月から加速し、市場予想（0.5%上昇）も上回った。インフレ加速を受けて米連邦準備理事会（FRB）による金融引き締め観測が強まった。長期金利は一時2.05%まで上昇したが、ウクライナ情勢の緊張緩和を好感した買いが勝った。
投資家心理を映す米株の変動性指数（VIX）は前日比9%低い25.7で終えた。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比348.838ポイント（2.5%）高の1万4139.757で終えた。半導体関連株への買いが目立ち、エヌビディアは9%高、アプライドマテリアルズ（AMAT）は6%高で終えた。電気自動車のテスラも5%高となった。
NYダウ工業株30種（ドル）
34,988.84＋422.67
S&P500種
4,471.07＋69.40
ナスダック
14,139.757＋348.838
FTウィルシャー5000
45,792.30＋780.12
NY金（ドル/トロイオンス）
1,856.20－13.20
NY原油（ドル/バレル）
92.10－3.36
円・ドル
115.57 – 115.64＋0.23
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前日比390円高の2万7445円で引け、15日の大取終値を605円上回った。ウクライナ情勢を巡る緊迫感が和らぎ、米株とともに買い進まれた。ロシア国防省は15日、ウクライナ国境域から軍隊の一部が撤収すると発表し、投資家心理が改善した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27445 ( +605 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27460 ( +620 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7608．92（＋77．23）
15日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日に比べ77.33ポイント（1.03%）高の7608.92で引けた。ウクライナ情勢を巡る懸念が後退し、投資家心理が上向いた。ただロシアによるウクライナ侵攻のリスクが完全になくなったわけではなく、医薬品や非耐久消費財といったディフェンシブセクターへの買いが目立った。
ただ、対ロ制裁による資源価格上昇を見込んで買われていた石油株や資源株の一角は軟化。これらのセクターの割合が高いFTSEは欧州大陸に比べて上げ幅が小さかった。
FTSEは指数構成銘柄の8割超が上昇。英製薬大手アストラゼネカ（5．8％高）、ロシア鉄鋼エブラズ（4．8％高）などが堅調だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15412．71（＋298．74）
15日のドイツ株価指数（DAX）は3営業日ぶりに反発し、前日比298.74ポイント（1.98%）高の1万5412.71で終えた。ロシア軍の一部がウクライナ国境から撤収しているとの報道や、ロシアのプーチン大統領とドイツのショルツ首相が会談し、ウクライナ情勢を巡り外交努力を継続する方針を示したことで、投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。
DAXでは独自動車大手ポルシェが4.8％高と締まった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6979．97（＋127．77）
フランスCAC40種指数は1.86％高だった。
