NYダウ3日続落、ウクライナ情勢懸念根強く

 
18日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比232ドル85セント(0.7%)安の3万4079ドル18セントと2カ月半ぶりの安値で終えた。
ウクライナ情勢を巡る警戒が続き、株式相場の重荷となった。米国は3連休となる週末を控えていたことも、運用リスクを取りにくい地合いにつながった。
 
ブリンケン米国務長官が提案した欧州での米ロ外相会談開催をめぐり、ロシア側は来週後半の開催を要望し、米側も侵攻しないことを条件にこれを承諾。前日の株は売り込まれたものの、この日序盤は交渉を通じた事態打開への期待感から売り圧力が和らぎ、ダウはプラス圏で推移する場面もあった。
だが、買い一巡後はウクライナ情勢に関する不透明感が払拭(ふっしょく)されない中、米国の3連休を控えたポジション調整の売りも出て、ダウは軟調な値動きが続いた。
 
先行きが読みにくい状況で、投資家が株式の持ち高を減らす動きが続き、ダウ平均の下げ幅は一時、300ドルを超えた。
ただ、ダウ平均は急速に下げ幅を縮小する場面が見られるなど、不安定な相場展開だった。18日は株価指数や個別株のオプション取引の満期日を迎え、持ち高調整の動きが影響したとの見方があった。
 
航空機のボーイングが2%安となり、建機のキャタピラーや機械のハネウェル・インターナショナルなど景気敏感株が下げた。半導体のインテルは5%安となった。17日に今後数年間の売上高や利益見通しなどを公表したが、目先は設備投資の負担で利益水準が抑えられるとの見方が売り材料となったとの指摘があった。
 
半面、飲料のコカ・コーラや通信のベライゾン・コミュニケーションズなどディフェンシブ株の一角は上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比168.653ポイント(1.2%)安の1万3548.066と3週間ぶりの安値で終えた。スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトなど主力ハイテク株が軒並み下げた。画像処理半導体のエヌビディアと電気自動車のテスラも売られた。
 
ナスダック指数はチャート上で50日移動平均が200日移動平均を上から下に突き抜ける「デッドクロス」を形成した。両移動平均で形成するのは2020年4月以来、1年10カ月ぶり。テクニカル的には相場調整が長引くとの見方につながり、投資家心理の重荷となった。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,079.18-232.85
S&P500種
4,348.87-31.39
ナスダック
13,548.066-168.653
FTウィルシャー5000
44,452.68-352.16
NY金(ドル/トロイオンス)
1,899.80-2.20
NY原油(ドル/バレル)
91.66-0.10
円・ドル
115.07 – 115.09-0.22
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

18日のシカゴ日経平均先物は小幅に続落した。3月物は前日比35円安の2万6845円で引け、18日の大取終値を245円下回った。
ウクライナ情勢が緊迫するなか、3連休の週末を前にリスク回避の売りが出た。ロシアは18日にプーチン大統領が指揮する軍事演習を19日に実施すると発表し、ロシアのウクライナ侵入が近いとの警戒感が広がった。
 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26845 ( -245 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26865 ( -225 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

18日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日に比べ23.75ポイント(0.32%)安の7513.62と、約3週間ぶりの安値で引けた。ウクライナ情勢を巡り外交的解決への期待から高く始まったが、買いは続かなかった。ロシアが18日、プーチン大統領が指揮する軍事演習を19日に実施すると発表するなど軍事的衝突の緊張が高まるなか、午後にかけて下げ幅を広げた。医薬品やエネルギー株が売られた。
FTSEは指数構成銘柄の6割超が下落。対ロ制裁懸念から、ロシア鉄鋼大手エブラズが7.2%の大幅安。英石油大手BPは1.6%安とさえなかった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

18日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比225.12ポイント(1.47%)安の1万5042.51と、約1カ月ぶりの安値で終えた。
週末を前にロシアによるウクライナ侵攻のリスクが警戒され、株式の持ち高を減らす動きが出た。エネルギーやハイテク、金融など幅広い銘柄が下げた。
DAXでは、料理宅配大手デリバリーヒーローが8%超の急落となった。
 

■フランス・パリ株価指数
 
フランスCAC40種指数は0.25%安となった。
ウクライナ情勢の緊張が続く中、投資家のリスク回避姿勢が強まった。

 

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