21日午前の日経平均株価は続落し、前週末比196円06銭安の2万6926円01銭で前場を終えた。
きょう前場は主力株をはじめ幅広く売り優勢の展開となり、日経平均株価はフシ目の2万7000円台を前引け時点で割り込んでいる。ウクライナ情勢の緊迫化を背景に前週末の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下値を探る展開となったことで、東京株式市場でもこのリスク回避の動きが波及した。
日経平均の下げ幅は一時570円を超えた。東証の業種別では海運や陸運など景気敏感株の下げが目立った。
その後、10時前にフランスのマクロン大統領がバイデン氏とプーチン氏による首脳会談を提案し双方が受け入れたと伝わり、その後ホワイトハウスが発表したと報道された。地政学リスクが緩和するとの期待感から日本時間午前のダウ工業株30種平均で流動性の高い「Eミニ・ダウ工業株30種平均」が上昇に転じ、株価指数先物に買い戻しが入り日経平均も下げ渋った。
銀行や保険などの金融株や鉄鋼株、小売りセクターなどの一角が頑強な値動きをみせており、日経平均は朝方に大きく下押した後は下げ渋る流れとなっている。
市場からは「朝方は強烈に売られたが、売り方が慌てて買い戻した。ウクライナ情勢が緊迫する中、ロシア侵攻の『兆候ない』との報道や、米ロ首脳は会談開催で原則合意したというニュースもサポートしたようだ。もっとも、これからどんなニュースが出てくるか分からず、不安定な動きが続きそうだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3313億円、売買高は5億2590万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1549と、全体の約7割を占めた。値上がりは533、変わらずは99だった。
業種別株価指数(33業種)は海運業、陸運業、金属製品などが下落。上昇は銀行業、鉄鋼、保険業など。
個別では、売買代金トップのレーザーテックや東京エレクトロンが安く、日本郵船、商船三井、川崎汽、JR東海なども値を下げた。キーエンスが軟調、任天堂、日立製作所なども売りに押された。明治電機工業が急落、シャープも大幅安。信越化、テルモも安い。
半面、三菱UFJフィナンシャル・グループが買い優勢、ファーストリテイリング、ベイカレント・コンサルティングなども上昇した。ファイズホールディングスが大幅高、ファンコミュニケーションズ、オリンパス、トレンド、ミタチ産業も買われた。
東証2部株価指数は前週末比36.57ポイント安の7123.77ポイントと3日続落した。
出来高は5541万株。値上がり銘柄数は116、値下がり銘柄数は267となった。
個別ではフレンドリーが一時ストップ安と急落した。コーアツ工業、日本ケアサプライ、STIフードホールディングス、丸順、日創プロニティなど19銘柄は昨年来安値を更新。アップルインターナショナル、内海造船、リミックスポイント、ヒラノテクシード、セーラー万年売られた。
一方、三井住建道路、ロブテックスが昨年来高値を更新。湖北工業、ドリームベッド、西部電機、光陽社、タカトリが買われた。
