22日のNYダウ工業株30種平均は4日続落し、前営業日の18日に比べ482ドル57セント(1.4%)安い3万3596ドル61セントで終えた。2021年6月18日以来、8カ月ぶりの安値となった。ウクライナ情勢の緊迫に伴うロシアと欧米の関係悪化を警戒したリスク回避の売りが優勢だった。
ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部の親ロシア勢力の独立を承認し、同地域への派兵を決定。これに欧米が反発し、バイデン米大統領は同日、親ロ派支配地域への米国人の新規投資などを禁じる大統領令に署名した。
ドイツのショルツ首相は22日、同国とロシアを結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム2」の認可手続きの停止を発表。ウクライナをめぐるロシアと欧米諸国の対立が嫌気される中、ダウは終日軟調な値動きを示した。
ダウ平均は演説開始前に下げ幅を700ドル超に広げる場面があった。一部市場では演説で具体的な追加制裁についての言及があるとの見方があった。ただ、演説では詳細な説明がなく、制裁対象に言及するだけにとどまった。地政学リスクの一段の高まりによる相場下落を予想していた短期筋が「売り持ちにしていた株価指数先物に利益確定の買い戻しを入れた」といい、ダウ平均は下げ幅を縮小した。
航空機のボーイングやスポーツ用品のナイキ、映画・娯楽のウォルト・ディズニーの下げが目立った。スマートフォンのアップルも売られた。22日発表の四半期決算で利益率が悪化したホームセンターのホーム・デポは9%下落した。
半面、外食のマクドナルドやバイオ製薬のアムジェンなどディフェンシブ株の一角は上昇した。
ナスダック総合株価指数は4日続落した。前営業日比166.550ポイント(1.2%)安の1万3381.516で終えた。電気自動車のテスラや交流サイトのメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)の下げが目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
33,596.61-482.57
S&P500種
4,304.76-44.11
ナスダック
13,381.516-166.550
FTウィルシャー5000
43,961.01-491.67
NY金(ドル/トロイオンス)
1,899.80-2.20
NY原油(ドル/バレル)
92.27+1.20
円・ドル
115.01 – 115.10-0.02
【シカゴ日本株先物概況】
22日のシカゴ日経平均先物は続落した。
3月物は前週末比190円安の2万6655円で引け、22日の大取終値を225円上回った。ウクライナ情勢の緊迫が投資家心理を冷やした。
ロシアが独立を認めたウクライナ東部の親ロシア派支配地域に派兵を決めた。バイデン米大統領は22日に経済制裁の実施を表明し、状況悪化への警戒感が広がった。引けにかけては、米株とともに日経平均先物は下げ幅を縮めた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26655 ( +225 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26660 ( +230 )
※( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
22日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら5営業日ぶりに反発した。前日に比べ9.88ポイント(0.13%)高の7494.21で引けた。FTSE100は指数構成銘柄の6割超が上昇した。前日まで4日続落していたとあって、値ごろ感からの買いが優勢だった。原油など商品相場の上昇を受け、資源やエネルギー株の一角が上昇したのも指数を支えた。半面、ウクライナ情勢を巡り、ロシアと欧米諸国との緊張が激化していることは相場の重荷だった。
個別では、英国の新型コロナウイルス規制の全面解除を好感し、ホテル大手インターコンチネンタルホテルズグループ(4.2%高)など旅行関連株が堅調。前日売られたロシア鉄鋼大手エブラズ(5.4%高)も急反発した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
22日のドイツ株価指数(DAX)は5日続落し、前日比38.12ポイント(0.26%)安の1万4693.00と、約11カ月ぶりの安値で終えた。ウクライナ情勢を巡り、欧米諸国とロシアの緊張激化への警戒感から運用リスクを取りにくかった。消費財やハイテク、ヘルスケア関連が売られた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.01%安の6787.60だった。
ウクライナ情勢が緊迫化する中で軒並み下落して始まった後、リスク回避ムードがやや後退し、値を戻した。
