新興市場見通し

 
今週の新興市場では、日経平均が週間でプラスを確保するなか、マザーズ指数は大幅な下落となった。節目の1000ptを割り込み、昨年7月31日以来の安値で今週の取引を終えている。IPOラッシュを控え購入申込みに伴う資金拘束で買いが鈍いうえ、引き続き換金売りが出て株価を押し下げた。
なお急落銘柄が多かっただけに、損失覚悟の売りを迫られる向きも少なくなかったとみられる。週末にかけて各国中央銀行が金融緩和姿勢を後退し、ハイテク株に売りが出たことも逆風となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.4%であったのに対して、マザーズ指数は-6.5%、日経ジャスダック平均は-1.3%だった。
 
来週の新興市場では、引き続きマザーズ指数が低調に推移するとみておきたい。IPOラッシュに入り投資資金が市場に還流してくることを期待したいが、IPO銘柄が賑わったとしても指数組み入れ前とあって直接的な押し上げ効果はない。そのIPO銘柄も値動きが悪ければ、個人投資家の資金回転は改善しづらいだろう。また、今週末の米NYダウが大幅続落したように、各国中銀の緩和姿勢後退などから外部環境にも不安がある。
やや荒い値動きとなる可能性はあるが、日本電解や田中化研といった車載電池の関連銘柄も人気が続くか注視したい。
 
個人投資家の売りが続くなか、信用買い残の水準が低く、ここ1カ月ほどの値動きがまずまず良好な銘柄は相対的に安心感がある。ビジョナル、アンビスHD、沖縄セルラー電話、芝浦電子などといったところが挙げられる

株ちゃんofficial xはこちら!
目次