28日午前の日経平均株価は反発し、前日比276円30銭(0.96%)高の2万8952円76銭で前場を終えた。
前日の米国株市場が大きく買い優勢の展開になったことを受けてリスク選好ムードが強まり、日経平均は反発となった。半導体主力株が買われたほか、機械株なども上昇し全体相場を押し上げる形となった。ただ、先物を絡めた買いが一巡すると目先筋の売りに上値が重くなった。日経平均は一時400円を超える上昇で2万9100円台まで上値を伸ばす場面があったが、その後上げ幅を縮小しフシ目の2万9000円台を割り込んだ水準で前引けを迎えている。
前日に主要半導体銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇したのを受け、値がさの東エレクが連日で上場来高値を更新し指数を押し上げた。円相場が1ドル=114円台後半まで円安・ドル高が進み、輸出関連株の採算改善が意識されたことも追い風になった。
午前の取引終了にかけて日経平均は伸び悩んだ。米株価指数先物が日本時間28日午前の取引で軟調に推移し、日本株の上値を抑えた。節目の2万9000円を上回ったことで個人を中心に戻り待ちの売りも出やすかった。
JPX日経インデックス400は反発。東証株価指数(TOPIX)も反発し、一時は節目の2000を上回った。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆754億円、売買高は4億5799万株だった。
市場では「きょうは先物主導の展開で、現物株は薄商い」との声が聞かれた。
東証1部の値上がり銘柄数は1555と、全体の7割強を占めた。値下がりは527、変わらずは101銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は精密機器、金属製品、パルプ・紙などが上昇。下落は海運業、電気・ガス業、石油・石炭製品など。
個別では、売買代金トップのレーザーテックと売買代金2位の東京エレクトロンがいずれも大きく上値を伸ばし上場来高値を更新したほか、ソフトバンクグループ(SBG)、ソニーグループもしっかり。日立製作所、NTTなども堅調。井筒屋が大幅高で値上がり率トップとなり、アカツキも値を飛ばした。
半面、郵船や商船三井など海運株は安い。アウトソーシングが一時ストップ安に売り込まれる急落となったほか、タムラ製作所も利食われ反落となった。任天堂、エーザイも値を下げている。
東証2部株価指数は前日比8.53ポイント高の7487.54ポイントと反発した。
出来高は1億2806万株。値上がり銘柄数は188、値下がり銘柄数は203となった。
個別ではカンロ、JFEシステムズ、セメダイン、湖北工業、キョウデンが年初来高値を更新。三井金属エンジニアリング、リミックスポイント、ビーイングホールディングス、フライトホールディングス、兵機海運が買われた。
一方、大盛工業、南海辰村建設、フルスピード、YE DIGITAL、日本ケアサプライなど30銘柄が年初来安値を更新。スーパーバッグ、松尾電機、セキド、東京ソワール、クリヤマホールディングスが売られた。
