28日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比95ドル83セント(0.3%)高の3万6398ドル21セントで終えた。新型コロナウイルスの感染が拡大しても、米経済への悪影響は限られるとの見方から景気敏感株を中心に買われた。11月8日に付けた過去最高値(3万6432ドル22セント)を上回る場面があった。一方、ハイテク株には利益確定の売りが出て、相場の上値を抑えた。
米疾病対策センター(CDC)は27日、コロナ感染の推奨隔離期間について、無症状であれば従来の10日間から5日間に短縮する新たな指針を公表した。医療や鉄道・航空業界などでの人手不足を解消する狙いがある。
これを受け、経済活動の制限に伴う景気後退への懸念が和らぎ、投資家心理は改善。株式市場では旅行関連株を中心に押し目買いが入った。年末5営業日と年初2営業日に相場が上昇しやすい「サンタクロース・ラリー」が続いている。
経済活動の正常化の恩恵を受けやすい映画・娯楽のウォルト・ディズニーが上昇し、航空機のボーイングや化学のダウも上げた。小売りのウォルマートやドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスなど消費関連銘柄の一角も高い。
一方、足元で上昇が続いたハイテク株は短期的な利益確定の売りが目立った。コロナ感染の拡大に対応し、ニューヨーク市の主要店舗を閉鎖したスマートフォンのアップルが下落。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフトも下げた。
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、前日比89.538ポイント安の1万5781.724で終えた。エヌビディアなど半導体銘柄が全般に売られた。電気自動車のテスラやグーグルの親会社アルファベットも下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
36,398.21+95.83
S&P500種
4,786.35-4.84
ナスダック
15,781.724-89.538
NY金(ドル/トロイオンス)
1,810.90+2.10
NY原油(ドル/バレル)
76.05+0.48
円・ドル
114.78 – 114.83-0.06
【シカゴ日本株先物概況】
28日のシカゴ日経平均先物は小幅に反落した。3月物は前日比5円安の2万8965円で引け、28日の大取終値を25円上回った。
28日の米株式市場は、消費関連株の上昇がけん引しダウは終日堅調に推移。ナスダック総合株価指数が下げ、日経平均先物を下押した。一方で新型コロナウイルスへの警戒感の薄れから買われる場面もあり、下げ幅は限られた。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28965 ( +25 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
29020 ( +80 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
28日のロンドン株式市場は、ボクシングデーで休場。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15963.70(+128.45)
28日のドイツ株式指数(DAX)は5日続伸した。終値は前日と比べて128.45ポイント(0.81%)高の1万5963.70だった。アジアの株式相場が軒並み上昇したのを受けてドイツ株にも買いが及んだ。米国で、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が制限されるとの警戒感が後退したのも相場を下支えした。
輸送関連株や自動車株など幅広く上昇している。ただ経済指標の発表など重要イベントが予定されておらず、相場の支援材料には乏しいことから上値追いに慎重となる可能性があるだろう。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7181.11(+40.72)
