昨年の大発会に書いたこと。

昨年の大発会に書いたこと。

生きている地球、生きている相場、生きている人間を相手にするという原点が見直されるべきでしょう。
相場は上がり続けると「下がらない」という錯覚を招きます。
下げ続けると「上がらない」という誤解を惹起します。
そうではなく相場は鼓動と同じようにリズム。
そして左右上下のハーモニー。
この30有余年、勝ちグセに見放された者の意見ではなく白紙の思考に軍配が上がることでしょう。
株式市場は明日もありますし未来永劫続くもの。
ただしそれでもアクセントを持った値動きに微分されがちです。
本来求められている積分の世界の相場観が今年の相場の守り神様。
頭脳でとらえた数値の世界だけでなく「アレ変だ」という心の感覚を大切に相場に対峙していきたいと考えています。
過去の常識は未来の非常識。
その思考がようやく根付く年になって欲しいものです。

そして紆余曲折を経ての大納会。
年間値幅約11000円という未曽有の相場が1年の区切りを迎えました。
コロナ禍という予想もしない材料が、世界の市場を駆け巡り、相場の変動を招いた1年。
3月の「限界値示現」は「相場は下げなきゃ上がれない」と体験できた光景でした。
5月の連休明けに作ったのは「相場は乗り越えられない試練は与えない」。
これも体感できた年になりました。
今年の相場を見ていて思うのは「相場は未来への希望を表現している」ということ。
足元は「ステイホーム」とか「景気後退」とか「テレワーク」などで緊縮気味の風情。
しかし株価指数は戻り高値を更新。
足元ではなく、未来の明るさへの確信を市場は見ているということでしょう。
これも相場の本質なのだと思います。
そして、明らかになったのはトレンド追随型の古い相場観は、どんなに脚色や分析としても通用しないということ。
データや罫線は遅行性が高く、リアルな相場ではそうしても一歩から数歩遅れがちになります。
だから底値圏で「まだ下がる。株うを買うべきではない」。
相場の高値圏で「まだ上がる。どこまで上がるかわからない」。
既に起こってしまった過去の出来事を現実と錯覚しての相場分析の理路整然とした誤謬。
後付け講釈など何の役にも立たないこと。
あるいはむしろ反対指標として活用できることはよく理解できた1年だったと思います。
相場は世相ですし世相に引きずられます。
世情でも世態でも物情でも一緒。
世間の動きを先取りするような後追いするような動きが相場だと言えます。
だから逆に世相に引きずられるもの。
世相が必ずしも正しいとは限りません。
それでも世相の影響を受けるもの
だから相場に必要なのは大衆心理の読み方。
枝葉末節の数字と罫線に囲まれると、ココが見えなくなってきます。
市場が求めているのは昨日までの記録ではなく「現在と未来」のハズ。
だからこそ「白いキャンパスに自由に絵を描く」ことが重要視されるのです。
「相場は想像、相場は未来。相場は創造、相場は作品」。
個々の投資家さんの発想の原点にこの言葉は加えても良いでしょう。
「30年」という時間軸を体験できた1年。
ここからは過去の経験ではなく未来志向の展開。
「百の講釈よりも一つの成果」。
レトリックに騙されてはいけません。
来年のキーワードは「戦略とスピード」。
そして相場は「陰と陽、光と影、明と暗」の反復。
ハットして、グッと来て、パッと目覚める銘柄探し。
フッとした瞬間を大切にして株探しを心がけたいと思います。

そして今年の大発会。

「2021年株式市場開幕口上」

「当月、辛丑の年の相場は幕明け初日。
初日より賑々しくご見物くださり有難き幸せ。
いずれさまのご尊顔、いずれ様の株価たちを拝しまして恐悦至極に存じまする。
また厚く厚く御礼申し上げます。
新型コロナという古今未曽有の災いに襲われながらも30年ぶりの高値に戻してまいりました東京株式劇場。
投資家各位のご理解とお力添えを賜りまして、新たな未来への旅に今まさに出ようとしているところでございます。
「上がれば強気、下がれば弱気」。
とかく同じ方向を向きがちになる場の中で「知らざあ言って聞かせやしょう」。
そんな気持ちになることも偶にはございます。
「せまじきものは株価仕えじゃなぁ。株も啼かずば討たれまいに」。
そんな気持ちも同居の世界。
「しがねえ株の情が仇。近頃面目次第もございません」と謝ることもしきりの世界。
それでも「こいつぁ春から縁起がいいわぇ」と始まって、
「絶景かな、絶景かな」の大団円を待ちたい1年。
西へ行きましても、東へ行きましても、とかく土地土地のお兄さんお姉さんに御厄介かけがちなる株式劇場。
それでも投資家各位の夢と希望を乗せた願いに通じる扉の大発会。
皆々様方に御願い申しあげ奉りまするは、主力から新興株に至るまで、
未熟不鍛錬ものに御座りますれば、御目まだるき所は袖や袂で、幾重にもお隠しあって、
よき所は拍手栄当栄当の御喝采、
七重の膝を八重に折り、すみから、すみまで、ズズズイットウー。
とくとご覧いただければ幸甚至極に存じる次第でございまする。

【バイロン・ウィーンの「びっくり十代予想2021年版」36回目】

(1)トランプ元大統領が自前のテレビ・ネットワークを持ち、インタビュー番組を始める。
   プーチン露大統領とのインタビューが史上最高視聴率を収める。

(2)選挙中とは異なり、バイデン大統領は中国と建設的な外交・通商関係を回復する。
   中国A株が新興国市場の上昇を牽引する。

(3)ワクチンや治療法改善により5月末までにある程度の「常態」が戻る。
   公共施設ではワクチン接種の証明書が必要になる。
   7月には東京オリンピックが観客を入れて開催される。

(4)消費者はGoogleやFacebookにより恩恵を受けているとし、司法省は両社に対する姿勢を緩める。
   いくつか事業売却や監視・規制が強制されるが、欧州を除き、本格的な解体は支持されない。

(5)経済は自律回復し、サービス株・航空株がアウトパフォーム。
   財政・金融政策は史上最も拡張的なままに維持。
   名目成長率は6%超へ急伸、失業率は5%へ低下。
   2010?2020年の景気サイクルを抜いて、史上最長の景気サイクルが始まる。

(6)FRBと財務省は、拡張的政策が続くにつれ、大っぴらにMMTに取り組むようになる。
   インフレが緩やかに進み、年内、金は上昇し、暗号資産の評価が上がる。

(7)「常態」が戻ることでWTI原油価格は65ドルまで上昇。
   エネルギー関連のハイイールドが上昇し、株式は最良のパフォーマンスを上げるセクターの1つとなる。

(8)株式市場に厚みが増し、ヘルスケアやテクノロジー以外も上昇へ。
   年前半に20%近い調整が入るが、年後半にはS&P500は4500を付ける。
   循環株がディフェンシブに、小型株が大型株に勝り、市場での格差が縮小。
   その流動性を提供するのが大型テクノロジー株となり、そのため年内は出遅れる。

(9)経済成長により米10年債利回りは2%に上昇、イールドカーブはスティープ化する。
   インフレ上昇で実質金利はゼロ近傍に。
   FRBは長期側の金利上昇を防ぐため、債券買入れの対象デュレーションを長期化する。

(10)ドル安は反転。
    日欧の債務拡大や低成長を嫌う投資家が、ワクチン普及後の米国に回帰する。
    米国債はプラス利回りを維持し、キャリー・トレードが続く。

おまけ(実現可能性が高くないもの3つ)

(11)東欧・中東などからのサイバーアタックが増加・高度化し、損害が甚大に。

(12)テスラが世界的な自動車会社を買収。
    イーロン・マスクCEOはこの10年のうちに内燃エンジンをなくすと宣言。

(13)金正恩氏がロサンゼルスまで届く長距離ミサイルで脅しをかける。
    トランプ氏がテレビ番組で金氏を説得し、カメラに向かって言う。
    「みんな私が最高の交渉人だというよ。」
昨日東京エレクトロン日経平均株価の構成比でトップに浮上した。
同日の終値ベースの指数に対するウエイトは8.10%。
長らくトップだったファーストリテイリングの8.02%を上回った。
ファストリが指数構成比で1位から落ちたのは実に10年ぶり。
その前はファナックがトップだった。

◎日経平均の上位構成比銘柄
1位 東エレク(8035)                         8.10%
2位 ファストリ(9983)                       8.02%
3位 ソフトバンクグループ(SBG、9984)     3.83%
4位 ダイキン(6367)                         3.21%
5位 ファナック(6954)                       2.99%
6位 アドテスト(6857)                       2.68%
7位 リクルート(6098)                       2.55%
8位 KDDI(9433)                         2.46%
9位 信越化(4063)                           2.43%
10位 テルモ(4543)                           2.41%
11位 ソニーG(6758)                         1.78%
12位 京セラ(6971)                           1.77%
13位 エムスリー(2413)                       1.68%
14位 TDK(6762)                           1.68%
15位 NTTデータ(9613)                     1.50%
(注)28日終値時点

主要金融機関によるS&P500の2022年末予想。

クレディ・スイス:5200
ゴールドマン・サックス:5100
RBC・キャピタル:5050
JPモルガン:5000超
UBS:4850
BofA:4600
モルガン・スタンレー:4400

電子端末の指摘。

2021年中はエヌビディアの上昇が際立った。
データセンター事業が急成長したアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマーベル・テクノロジーが躍進。
旺盛な半導体需要を背景に半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)、KLA、ラムリサーチが上昇。
車載半導体のNXPセミコンダクターズやマイクロチップ・テクノロジーも堅調に伸びた。

業績は直近四半期の売上高と特別項目を除く1株利益。

銘柄名           上昇率(%)  売上高       1株利益
エヌビディア         132.3   71億300万(50%)  1.17(60%)**
マーベル・テクノロジー    85.1    12億1100万(61%)  0.43(72%)**
AMAT           85.0    61億2300万(31%)  1.94(55%)**
AMD            67.0    43億1300万(54%)  0.73(78%)
KLA            66.9    20億8400万(35%)  4.64(53%)
ASML           65.0    52億4100万ユーロ(32%) 4.27ユーロ(68%)
ザイリンクス         55.4   9億3600万(22%)  1.06(29%)
ブロードコム         52.8    74億700万(15%)  7.81(23%)**
ラムリサーチ         51.6    43億400万(35%)  8.36(47%)
NXPセミコンダクターズ   45.3    28億6100万(26%)  1.91*(▲0.08)
ケイデンス・デザイン・システムズ     39.3    7億5100万(13%)   0.80(14%)
マイクロチップ・テクノロジー 27.5    16億5000万(26%)  1.07(37%)
マイクロン・テクノロジー   23.6    76億8700万(33%)  2.16(176%)***
クアルコム          21.3    93億3600万(12%)  2.55(76%)
アナログ・デバイセズ     18.0    23億4000万(53%)  1.73(20%)**
テキサス・インスツルメンツ  16.4    46億4300万(22%)  2.07*(43%)
ウエスタン・デジタル     13.5    50億5100万(29%)  2.49(283%)
インテル            3.9    191憶9200万(5%)  1.71(59%)
スカイワークス・ソリューションズ        2.0    13憶1100万(37%)  2.62(42%)
クォルボ           ▲5.9   12億5500万(18%)  3.42(41%)

フィラデルフィア半導体株指数(SOX) 42.8
ナスダック総合株価指数    22.5
ダウ工業株30種平均      18.9

(櫻井)

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