15日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前週末比12ドル86セント安の3万6087ドル45セントで終えた。米長期金利が上昇し、高PER(株価収益率)銘柄のハイテク株の一角に相対的な割高感を意識した売りが出た。16日に10月の米小売売上高や米小売り大手の決算発表を控え、様子見ムードも強かった。
この日は新規の手掛かり材料に乏しい中で、値動きは限定的だった。米長期金利が上昇し、割高感が強まったハイテク株の一角が売りに押された。また、中国の不動産関連の指標悪化が嫌気され、素材株も安かった。
一方、中東の航空会社からの新規受注が好感されたボーイングが買われ、ダウ平均を下支え。米原油先物相場が小反発したことなどを受けて、エネルギー株も買われた。
ダウ平均は買い先行後に伸び悩み、午後は前週末終値を挟んでもみ合う場面が多かった。米長期金利が1.63%近辺と前週末終値(1.56%)から上昇した。ハイテク株の売りを誘い、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムとソフトウエアのマイクロソフトが安い。ユナイテッドヘルス・グループや製薬のアムジェンなどヘルスケア銘柄の下げも目立った。
16日に決算を発表する小売りのウォルマートやホームセンターのホーム・デポも下落した。市場では「高インフレが消費者心理に与える影響が警戒されており、16日の10月の米小売売上高や、主要小売り企業が決算発表で示す業績予想を見極めたい投資家が多い」との指摘があった。
もっとも、ダウ平均の下値は堅かった。ドバイの航空見本市で貨物機を相次いで受注したと発表したボーイングが5%上昇し、1銘柄でダウ平均を約80ドル押し上げた。アナリストが投資判断を引き上げた石油のシェブロンは2%高で終えた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに小反落し、前週末比7.112ポイント安の1万5853.846で終えた。電気自動車のテスラや半導体のエヌビディアの下げが目立った。
NYダウ工業株30種(ドル)
36,087.45-12.86
S&P500種
4,682.80-0.05
ナスダック
15,853.846-7.112
NY金(ドル/トロイオンス)
1,868.50+4.60
NY原油(ドル/バレル)
80.95+0.16
円・ドル
114.13 – 114.14+0.19
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は小幅に上げた。12月物は前週末比10円高の2万9720円で引け、15日の大取終値を10円下回った。15日の米株式市場ではインフラ法案の歳出がインフレのさらなる上昇に繋がるとの懸念に長期金利が上昇を手掛かりにNYダウ工業株30種平均など主要株価指数が反落し、売りが優勢になった。市場関係者は16日発表の10月の米小売売上高に注目している。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
29720 ( -10 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
29735 ( +5 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7351.86(+3.95)
15日のFTSE100種総合株価指数は小反発した。前週末の終値に比べ3.95ポイント高の7351.86で引けた。
商品相場の下落で資源関連株が値下がりし、全体を押し下げたものの、取引終盤にプラス圏に浮上した。石油株と医薬品株の上昇が株価指数を押し上げる一方、鉱業株の下げが上値を抑えた。
指数構成銘柄では約4割が上昇し、約6割が下落した。
個別銘柄では、ロイヤル・ダッチ・シェルが買われた。同社が15日に、英国とオランダに分かれてきた本社機能や株式の構成を見直し、英国側へ一元化すると発表したことなどが好感された。セキュリティー対策ソフト大手のアバストは7%の上昇と目立った。
一方、産業用ソフトウエアのアベバグループが2.8%安と売られたほか、産銅大手アントファガスタ(1.9%安)や資源大手BHPグループ(1.9%安)、同グレンコア(1.6%安)もさえなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16148.64(+54.57)
15日のドイツ株式指数(DAX)は4日続伸した。終値は前週末と比べて54.57ポイント(0.3%)高の1万6148.64と、終値ベースで連日の最高値更新となった。
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁による15日の発言を受けて、金融引き締め観測が後退し、欧州各国の株式相場がそろって上昇した。
個別では、電力のRWEが買われた。グリーンエネルギーへの投資倍増計画を発表したことなどが好感された。ファッション通販のザランドも上昇した。ドイツテレコムは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7128.63(+37.23)
フランスの株価指数CAC40の終値が前週末に比べて0.5%上昇し、終値ベースで連日の最高値更新となった。
