不安定な相場展開か

 
週明けの日経平均株価は大幅続落。終値は前週末比467円安の2万8283円だった。
新型コロナの変異株「オミクロン」に対する不安から前週末の欧米株が急落。この流れを受けて序盤から400円を超える下げで始まった。
週末に先行して下げていたため売り一巡後は一時プラス圏まで戻す強さを見せたが、中頃に岸田首相が明日から外国人の入国停止を発表したため、経済活動への影響を懸念した売りで再び下げ幅を広げてしまった。当面は変動率の高い相場となるだろう。
 
前週末の米国市場は南アフリカで見つかった新たなコロナ変異株を警戒してダウ平均は大幅続落した。下げ幅905ドルは今年最大で、一時は1000ドルを超える下げ幅まで示現した。この変異株は感染力の高さが指摘されていて、行動制限など世界経済が再び停滞してしまうとの懸念が急速に広がっている。また、原油相場の急落、ドル安進行など各マーケットでもこれまでの反転運動が加速。リスクオフの動きで当面は神経質な展開となりそうだ。
 
さて、東京株式市場は新変異株「オミクロン型」の出現を先週末から本日にかけて一気に織り込み、27日早朝の日経平均先物夜間取引では2万7510円(1280円安)まで売り込むなど非常に荒れた展開となっている。
 
あす30日の東京株式市場は、不安定な相場展開か。
「オミクロン型」については不透明な部分が多く、警戒感が尾を引くとみられる。全容が分かるまでは2-3週間掛かりそうで、しばらくはもたつくだろう
今晩の米国市場に対する期待はそこまで高まっていないと考えられる。仮に米国株が下落したとしても、常識的な下げなら明日の日本株へのネガティブな影響は限定的だろう。
この先、2万8000円を割り込んでしまうと、年初来安値の2万6954円に向けて下に勢いがつきそうな局面だけに、あす、踏みとどまって戻りを試すことができるかは非常に重要だろう。
週足ではきょうの下げで52週線(2万8714円、29日時点)を割り込んでいる。8月や10月の下げ局面では52週線を割れたところが買い場となっているだけに、今回も同様の動きが見られるかに注目したい。
 
市場は不透明を嫌うため目先は新変異株の報道に大きく振らされる状態が続きそうだ。チャート面では2万8000円が直近の下値ポイントだが、状況によっては2万7500円くらいまで振れることも想定しておきたい。
 
 
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(29日現在)
 
28971.68  75日移動平均線
28945.63  200日移動平均線
28896.41  ボリンジャー:-1σ(25日)
28875.30  均衡表雲上限(日足)
28875.30  均衡表基準線(週足)
28867.96  均衡表雲下限(日足)
28724.50  26週移動平均線
28627.28  均衡表転換線(週足)
28589.58  均衡表雲上限(週足)
28524.42  ボリンジャー:-1σ(13週)
28476.31  ボリンジャー:-2σ(25日)
 
28283.92  ★日経平均株価29日終値
 
28056.22  ボリンジャー:-3σ(25日)
27802.36  ボリンジャー:-1σ(26週)
27762.70  ボリンジャー:-2σ(13週)
27000.98  ボリンジャー:-3σ(13週)
26880.23  ボリンジャー:-2σ(26週)
26122.18  均衡表雲下限(週足)
 
 
ローソク足は小陰線の胴体から長い上ヒゲを出して強い売り圧力を窺わせた。株価上方ではともに下向きの5日移動平均線が25日線を下回って短期デッドクロス(DC)を示現し、短中期の強い下落トレンド入りを示唆した。
一目均衡表では、株価が雲下限を下放れたほか転換線が下降して基準線と並び、三役逆転形成が迫っている。25日線との下方乖離率は3.52%と「売られ過ぎ」の5%ラインには到達しておらず、下値余地を残して引けた格好だ。
 
 
 

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