30日午前の日経平均株価は反発し、前日比214円99銭高の2万8498円91銭で終えた。
前日の米株高を受けて2営業日で1200円あまり下げた後とあって、主力株をはじめ広範囲に自律反発狙いの買いが優勢となり、日経平均やTOPIXなど主要株指数が切り返す形となった。前週末からの急落の反動で空売りの買い戻しなども寄与したとみられる。
29日の米株式市場では主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%高となった。この流れを受け、東京株式市場でも値がさの半導体関連株などが買われ全体相場を牽引、一時日経平均は400円以上高い場面もあったが、前引けにかけ戻り売りや目先筋の利益確定売りに押され上げ幅を縮小した。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が30日に予定する議会証言の冒頭部分が日本時間30日早朝(米国時間29日夕)に公表された。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の出現で「雇用や経済活動の下振れリスクとなり、インフレの不確実性を高める」と指摘した。
市場では「FRBによる早期利上げの観測が後退している。さらに製薬業界がオミクロン型への対応に動いており、リスク資産である株の買い安心感につながっている」とみていた。半面、自動車株の一角が売られた。コロナ感染の拡大が再び供給網の混乱につながるとの懸念が重荷となった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はいずれも反発した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆3788億円、売買高は6億2116万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1795と、全体の8割強を占めた。値下がりは330、変わらずは59だった。
業種別株価指数(33業種)は陸運業、鉱業、水産・農林業など31業種が上昇。医薬品と鉄鋼は下落した。
個別では、群を抜く売買代金をこなしたレーザーテックが上昇、東京エレクトロンも値を上げるなど半導体関連株が強い。トヨタ自動車やTDKが堅調、ソニーグループ、キーエンスなども高い。マネックスグループが値上がり率トップに買われ、戸田工業も値を飛ばした。
日本取引所やリクルートが買われ、小田急やJR東日本も高かった。
半面、任天堂が安く、ファーストリテイリングも軟調。塩野義製薬、三菱自、日産自、エムスリー、キッコマンも売りに押された。リンクアンドモチベーションが急落、新日本科学も大きく値を下げた。
東証2部株価指数は前日比65.07ポイント高の7431.77ポイントと5日ぶり反発した。出来高は1億6765万株。値上がり銘柄数は273、値下がり銘柄数は124となった。
個別ではテクノマセマティカルがストップ高。光陽社は一時ストップ高と値を飛ばした。ヨネックスは年初来高値を更新。TVE、アドテック プラズマ テクノロジー、ユーピーアール、東洋刃物、日本精機が買われた。
一方、DNAチップ研究所、日本調理機、パシフィックネット、フォーシーズホールディングス、テクノマセマティカルなど15銘柄が年初来安値を更新。川本産業、アゼアス、英和、昭和化学工業、バイク王&カンパニーが売られた。
