ダウ大幅反発646ドル高、新変異株への懸念和らぐ

 
6日のNYダウ工業株30種平均は大幅に反発し、前週末比646ドル95セント(1.9%)高の3万5227ドル03セントで終えた。1日の上げ幅としては米大統領選があった2020年11月9日(834ドル高)以来、1年1カ月ぶりの大きさだった。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に対する懸念がやや後退し、景気敏感株を中心に上昇した。ダウ平均は前週まで4週連続で下落し、短期的な戻りを狙った買いが入った。
オミクロン型は感染力がデルタ型を上回る可能性があるものの、軽症や無症状で済む傾向があると指摘されており、市場では過度な懸念が和らいだ。南アフリカからの初期段階の報告で、オミクロン型の感染者が軽症で済む傾向があると伝わった。
 
バイデン米政権のファウチ首席医療顧問が5日、米CNNのインタビューでオミクロン型について「明確な見解を示すには時期尚早だが、感染者の重症化の度合いはそれほど高くないようだ」との見方を示し、景気悪化に対する過度な警戒感が和らいだ。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスとビザのほか、航空機のボーイングや化学のダウなど幅広く景気敏感株に買いが入った。ダウ平均の構成銘柄以外ではアメリカン航空グループやデルタ航空など空運株が軒並み上昇した。
 
中国人民銀行(中央銀行)は6日、市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す「預金準備率」を引き下げると発表した。中小企業の資金繰りを支援し、中国経済を支える姿勢が示されたのも投資家心理を強気に傾けた。中国関連株と位置付けられる工業製品・事務用品のスリーエムと建機のキャタピラーも買われた。
 
ダウ平均は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がテーパリング(量的緩和の縮小)加速を示唆する前の水準(11月29日、3万5135ドル)を回復した。過去4週間で1747ドル(4.8%)下落していただけに、売り持ち高を形成した投機筋の買い戻しも巻き込んで上げ幅が大きくなった面がある。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前週末比139.681ポイント(0.9%)高の1万5225.153で終えた。SNS(交流サイト)のメタプラットフォームズ(旧フェイスブック)やネット通販のアマゾン・ドット・コム、ネット検索のアルファベットが上昇した。半面、半導体のエヌビディアや電気自動車のテスラは下落した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,227.03+646.95
S&P500種
4,591.67+53.24
ナスダック
15,225.153+139.681
NY金(ドル/トロイオンス)
1,779.50-4.40
NY原油(ドル/バレル)
70.03+3.776日 16:59
円・ドル
113.46 – 113.50+0.32

 


【シカゴ日本株先物概況】

6日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前週末比305円高の2万8095円で引け、6日の大取終値を245円上回った。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の重症度を巡り楽観的な見解を示したため経済封鎖への警戒感が後退し景気回復期待に、NYダウは、寄り付き後、上昇。終日買戻しが続き、引けにかけて上げ幅を拡大し終了した。オミクロン型への懸念の薄れから投資家心理が上向き、日経平均先物は米株とともに買われた。
市場関係者は10日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)が示すインフレ動向に注目している。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
28095 ( +245 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
28105 ( +255 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7232.28(+109.96)
6日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前週末の終値に比べ109.96ポイント(1.54%)高の7232.28で引けた。
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」に対する警戒感がいくぶん和らぎ、米国株が堅調に寄り付く中、英株価指数も買いが優勢となった。幅広い銘柄に買いが広がり、指数構成銘柄全体の9割近くが上昇した
 
業種別では、商品相場の上昇を背景とした資源株への買いや、医薬品株の上昇が目立った。
 
個別では、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が最近の下げの後、割安感から買い戻され8%超上昇した。ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントも6%近く上げた。
半面、オンライン食品販売オカド・グループが2.7%安とさえず、産金・産銀会社ポリメタル・インターナショナルも1.7%安と売られた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15380.79(+210.81)
6日のドイツ株式指数(DAX)は3営業日ぶりに反発した。終値は前週末と比べて210.81ポイント(1.39%)高の1万5380.79だった。
 
前週後半に売りが続いた後の反動で買われた。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の症状は軽度との観測も買い材料となった。午後に上げ幅を広げた。
 
個別では、航空機のエアバスと航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズの上昇が目立った。料理宅配大手のデリバリーヒーローは下げた。インターネット経由で単発の仕事を発注するギグエコノミーの企業に対して、欧州委員会がより厳しい規制を打ち出すとの観測が売りにつながった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6865.78(+100.26)
 

 

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