15日午前の日経平均株価は小幅に続落し、前日比23円24銭(0.08%)安の2万8409円40銭で前場を終えた。
前場は売り買い交錯、強弱観が対立するなか日経平均は前日終値近辺で方向感なくもみ合った。前日の米国株市場でNYダウなど主要株指数が揃って軟調な値動きを示したことで、東京市場でも物色意欲は低調だった。日本時間あす未明に発表されるFOMCの結果やパウエルFRB議長の記者会見を前に買いが手控えられている。日経平均は朝方高い場面もあったが、様子見ムードのなかその後は値を消し、前引けは若干マイナス圏で着地している。なお、値上がり銘柄数は値下がりを大きく上回っている。
14日発表の11月の米卸売物価指数(PPI)の上昇率は市場予想を上回った。利上げ前倒し観測が強まったことで同日の米長期金利が上昇し、米株式市場でのハイテク株の売りを促した。15日の東京株式市場でもその流れを引き継ぎ、東エレクやアドテストなど値がさの半導体関連銘柄の売りが出た。
日本時間11時には中国で主要な経済指標が公表された。11月の小売売上高は前年同月比3.9%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(4.5%増)を下回り、増加率は10月(4.9%増)から鈍化した。中国での消費意欲が後退し、景気回復が鈍化するとの見方は日経平均の重荷として意識された。
午前の取引ではトヨタ自動車(7203)や、デンソー(6902)などトヨタ関連銘柄の上げが目立った。トヨタが14日に電気自動車(EV)の世界販売台数を2030年に350万台とする目標を発表したことが買い材料視された。日本株全体の割安感が根強いことも押し目買いを誘った。市場では「日経平均が2万8500円を割り込むと幅広い銘柄に買いが入りやすい」との声も聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)はいずれも反発した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆1917億円、売買高は5億291万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は780と、全体の約4割弱だった。値上がりは1257、変わらずは143だった。
業種別株価指数(33業種)は海運業、ゴム製品、精密機器などが下落。上昇は輸送用機器、証券・商品先物取引業、鉄鋼など。
個別では、断トツの売買代金をこなしたレーザーテックだが株価は軟調、東京エレクトロンも売りに押された。日本郵船、川崎汽船など海運株の売りも目立った。ファストリ、ダイキン、日立製作所も冴えない。エニグモが急落、スルガ銀行も大きく値を下げた。
半面、ソフトバンクグループがしっかり、三井ハイテック、リクルートホールディングス、ソニーG、キッコマンも高い。東京機械製作所が値上がり率トップに買われ、新生銀行も大幅高。新電元工業、日本金属も大きく上昇した。
15日に東証1部に上場したネットプロ(7383)は公開価格(1450円)を72円(4.97%)下回る1378円で初値を付けた。一時1442円まで上げたものの、その後は売りが優勢となり午前終値は1158円だった。
東証2部株価指数は前日比15.70ポイント高の7465.71ポイントと反発した。
出来高1億8072万株。値上がり銘柄数は190、値下がり銘柄数は194となった。
個別ではDNAチップ研究所が一時ストップ高と値を飛ばした。リミックスポイント、中西製作所、カンダホールディングスは年初来高値を更新。光陽社、ユニバンス、コメ兵ホールディングス、黒田精工、セキドが買われた。
一方、大盛工業、クシム、Abalance、田岡化学工業、児玉化学工業など15銘柄が年初来安値を更新。川上塗料、玉井商船、ナガホリ、大丸エナウィン、日本パワーファスニングが売られた。
